教員紹介
国際コミュニケーション学域
“The unknowable”をキーワードに、19世紀アメリカ文学を研究しています。科学発展により知識が拡大した時代に、むしろ「不可知なもの」の意義や成り立ちを追究していた作家たちに関心があります。フレデリック・ダグラス、エミリー・ディキンスン、スイシンファーなどは、宗教的な謎にくわえ、失われた証拠、奴隷制に奪われた知識、権力をあざむく秘密作りの技法など、生活に根ざした知の限界を描きました。解らなさを見つめることで、彼らはどんな人生の機微に触れたり、社会問題に迫ったり、新たな知のあり方を模索したりしたのか?そうした探究に、なぜ詩やミステリー、自伝など特定の文学形式が選ばれたのか?こちらも手探りで考えています。
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詩や歌詞、おとぎ話などを中心に読んで、ことば、人間社会について考えています。例えば、かつてのアメリカの黒人奴隷の歌はどうゴスペルソングやブルーズになり、あるいはラップになって現代に届いているのでしょう? 赤ずきんの話の中に性や暴力についてどんな真実が隠されているのでしょう? 世界中どこでも、歴史上のどの時代でも、人はいつも歌い、物語りをしてきました。私の研究は、人の心と日々の営みを【歌】や【物語】と関連させて考えます。聴いて、読んで、感じて、考え、広く調べ、自分の言葉で語り直して、私が発見した意味や感動をみなさんに伝えたいと思っています。
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中世イングランドの言語と文学を研究しています。特に、中世アーサー王物語(『ガウェイン卿と緑の騎士』)を中心とする文学作品とその歴史的意義に関心をもっています。一方、中世の物語や神話伝承は、現代ファンタジー文学(『ホビット』や『指輪物語』など)の発展と密接に関係し、現代の大衆文化の一端を形成しています。イギリス文学・文化のルーツを学び通時的な知見を得ることによって、今日の英語文化をより深く理解することができるでしょう。
COLUMN
世界中のファンタジー文化に影響を与えた英語と英語圏文化のルーツを探る
英語圏文化専攻
岡本 広毅
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小川 真和子教授
- 所属専攻:
- 英語圏文化専攻
- 専門分野:
- アメリカ研究、アメリカ史
私はこれまで、太平洋を越えて国際的な平和運動や社会改良運動などに携わった日本人やアメリカ人の活動について研究してきました。 近年ではハワイへ渡った日本人水産業者や、それを取り巻くハワイ、日本、アメリカとの関連についてローカル、そしてグローバルな視点から探求しています。日本は周囲の海によっ て諸外国と隔てられた島国なのではなく、海によって世界とつながり交流してきた太平洋世界の一員と捉えています。またアメリカも太平洋の政治や経済、文化に強い影響を与えてきました。日本とアメリカの間に位置するハワイを定点観測地点として、日米関係を「海」から捉え直すというのが私の現在の研究テーマです。
COLUMN
海を渡った日系移民の足跡をたどり、 日本とアメリカの未来について考える。
英語圏文化専攻
小川 真和子
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海上で他国の船を襲って積み荷を奪う、こう聞くとそれは海賊なのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし16~19世紀のイギリスを含む多くのヨーロッパの国々では、海軍や民間の船が政府の認可を得て戦争中に敵国の船を合法的に略奪することが許されていました。また16世紀のエリザベス女王期の略奪の成功体験を基に、海軍を活用すれば直接的間接的に富が得られるという議論も、当時の英国議会やメディアで盛んに見られました。私の研究では、近世にみられたこのような広義の海軍力行使と利益獲得(の期待)の結びつきがイギリスの政治・外交政策にどのような影響を与えたのか、またそのような略奪を統制する国際ルールは、諸国家や経済的利害集団の間のいかなる関係の中から生まれたのか、ということを探っています。
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アメリカの歴史やポピュラー文化を中心に、ジェンダーの視点から男性の多様性と雑種性についての当事者研究をしています。特に、弱者としての男性について興味があります。従来の歴史が取り上げてきたのは英雄や政治家といった強者の男性たちです。そんな彼らの陰に埋没した弱者の男性たちの歴史的経験を掘り起こすことなくして、男性中心社会の在り方を変えることはできません。強者は力で他者を支配し、その力を奪われることを恐れる単純な存在です。それに対して、弱者は時として死ぬことすらも恐れない屈強な精神と無限の可能性を内に秘めた存在なのです。
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南アフリカの人種主義といえば、アフリカ大陸の南端にありながら20世紀末に至るまで少数の「白人」がアフリカ人を支配し、厳格な隔離体制が維持されていたことで知られています。そんな南アフリカで、アジアから到来した人びとはどのように暮らしてきたのでしょうか。そして彼らの存在は当地の人種的秩序にどのような影響を与えてきたのでしょうか。こうした関心に基づき、人種主義やアフリカ-アジア関係、さらにいわゆる「名誉白人」待遇について社会学的な研究を行ってきました。
グローバル・サウスの文化や社会を探究することは、私たちがこれまで親しんできた世界を新たな角度から捉えなおす営みでもあります。自分のなかの「当たり前」が揺らぐ経験も、この研究の醍醐味です。
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国際コミュニケーション学域
異文化コミュニケーションとテクノロジーをつなげる
- キーワード :
- 動機づけ、異文化間コミュニケーション、SNS
APPLE MATTHEW THOMAS教授
- 所属専攻:
- 国際英語専攻
- 専門分野:
- 第二言語習得、異文化間コミュニケーション
コミュニケーションスキルを向上させるにはどうすればよいですか?通信相手を理解するにはどのような知識が必要ですか?他の人が私に伝えようとしていることを理解できないことがあるのはなぜですか?こんなような質問は、私は学生の時がありましたが、誰もおそらく同様な考えがあるのでしょう。教師として、私は、英語の日本人学生の動機や不安、カナダ社会で相互作用するさまざまな言語グループの文化的および歴史的背景など、異文化コミュニケーションのあらゆる側面についてもっと知りたいと思っています。特に、最近はモントリオールの英語圏とフランス語圏のコミュニティ間の継続的な緊張の複雑な歴史的背景を調査します。
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社会問題