研究内容

ヒトゲノムをはじめ様々なゲノム配列の解読が終了したことから、生物学の中心的パラダイムは、「生物情報はDNAからRNAへ、そしてタンパク質となり、如いては細胞そして個体を形成する」とされつつあります。しかしながら、細胞が成り立つには、タンパク質のほかに「脂質」と「糖質」という2種類の分子が不可欠です。そして、その脂質と糖質は、生体エネルギーの前駆体をはじめ、シグナル伝達分子や、代謝、生体構造の構築、生物の多様性などに深く関与しています。そのため個体を理解するためには、図1のように、中心的パラダイムを脂質や糖質、複合糖質(糖脂質,糖タンパク質など)を含めた形に拡張し、統合的に理解する必要があります。  本研究室では、「生命活動プログラムを再構築(再現)すること」を最終目標に掲げ、現在、「生物発生システムの理解」と「糖脂質の合成経路と機能の理解」、「脂質メディエーターの同定と生理機能の理解」、「代謝反応ネットワークの頑強性の理解」の4つのテーマを中心に研究を進めています。