「タイ放浪記 −旅行では味わえないタイの魅力(?)−」
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第9回

−タイでの一人旅を終えて− その1

 三回目のタイ訪問となると、少々ゆとりができる。今回は、滞在中に1週間の旅行を計画した。

 まずはバンコク。高校のときの友人が住んでいる。高校時代は、一緒に遊んだ仲だ。

 次は、さらに南下してナコンシタマラットへの旅だ。そこには、大学院時代、一緒に机を並べたタイからの留学生が帰国して住んでいる。今は、大学の先生だ。



 それでは、チェンマイからちょっとした冒険の旅行をお話ししよう。



 チェンマイからバンコクまで約700km、飛行機で1時間ちょっとだ。鉄道だと13時間かかる。バンコクからナコンシタマラットはさらに約700km。チェンマイからナコンシタマラットは、ほぼ、北海道から鹿児島の距離である。こう考えれば大旅行だ。



 まず、バンコクからである。

 バンコクに住む友人は、高校時代の悪友(?)で、もうかれこれ17,8年は会っていない。自動車メーカーに勤める彼は、1年半前からバンコク郊外に駐在している。少なくともあと2年は滞在するそうだ。

 高校、大学時代の多くの友人が海外に駐在しているが、この歳になると年賀状のやり取りくらいで、めったに会うことはない。今回は、久しぶりに会うまたとないチャンスだ。しかも海外で会えるとは嬉しいものである。



 ということで、バンコク国際空港で久しぶりの再会を果たしたのであった。

 久々ということで、お互い変わっていたが、それは仲間、すぐに昔に戻れる。友人はいいものだ。


The Grand Palace (チェックリー宮殿にて)
バンコクで、旧友との久しぶりの再開をはたす。

 まず、彼の暮らしぶりからだ。バンコク郊外にあるプール付の家である。現地の人は、こんな豪華な家に住むのは無理だといっていた。しかも、お手伝いさんがいる。さらにお抱えの運転手さんもだ。日本ではとうてい考えられない話である。

 彼が言うには、会社が日本と同じ生活を保障してくれ、またタイの交通事情が悪いため、タイでの運転は、許可されていないとのこと。そういうことで、必ず、現地の高級な家と、専用の車とお抱え運転手さんをつけてくれるということだった。

毎朝、7時には、家の前で運転手さんが待っていてくれる。そして帰りまで待っているとか。羨ましい限りである。大学の教員ではまず考えられないことだから。(友人曰く;「タイでの生活は満足だ!日本に帰りたくない」と)



 ということで、運転手付の車で、バンコク市内やアユタヤ見物となった。

 運転手付の車で、後ろに座ってボーっと景色を眺めるのはとても気持が良かった。チェンマイでの暮らしと180度違っていたからなおさらだ。このときばかりは、羨ましいと思ったのは偽らざる気持である。


バンコク郊外のアユタヤ遺跡にて

 バンコクでの夜は、いつものタイ料理とは違って、久々の日本食を口にした。美味かった。彼が言うにも、やはり日本食が恋しくなるそうだ。日本人を感じる瞬間である。

 異国での再開を果たし、びさびさに杯を傾け、昔話に花が咲いた。友人とはいいものだ。


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Last Up Date: 2002.7.22