- 浅井 智広講師
- Chihiro Asai
- 生命情報学科
- 研究室光合成生物学研究室
- 専門分野生物物理学、分子進化学
- 担当科目生命物理化学1、生物学基礎実験、生化学実験、分子生物学実験
- Q1研究の内容を教えてください。
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光合成の歴史を知りたいと思っています。植物が行う光合成には避けがたい問題点がいくつかあります。不思議なことに、それら問題は30億年以上も根本的には解決されていません。「いつ」「どこで」「だれが」「どのように」現代の光合成を作り出したのかが分かると、問題の本質が理解できるのではないかと考えています。現存の様々な光合成生物をよく調べ、30億年前の光合成の誕生のプロセスを推測します。中でも、植物とは異なる光合成をする「光合成細菌」が研究の中心です。バイオテクノロジーを駆使し、現存の生物を過去の生物の様に改変し、推測した光合成の誕生を検証する「合成生物学」的な実験進化学を目指しています。
- Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。
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研究者になろうと思ったきっかけは、少なくとも僕には覚えがありません。某マンガに「達人とは、高みに上り詰めて成るものではなく、崖から転げ落ちた果てに成るもの」というような主旨の台詞があったのを覚えています。研究者(特に理学系の博士)も同じ様なものだと思っています。常日頃に思うたくさんの疑問に片っ端から勉強して答えを出しているうちに、いつの間にか研究者として生きる道を歩いていたというのが現実だと思います。研究者になった原因があるとするなら、「わからないことをわからないままにしない」という意識が体に染みついているからでしょうか。五劫思惟。僕は分からないことは一生をかけても答えが出るまで考えます。
- Q3高校生へメッセージをお願いします。
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勉強して下さい。そして勉強の本当の楽しさを知って下さい。ここでいう勉強とは、試験勉強や受験勉強のようなものではなく、もっと本質的な意味での勉強です。科学の分野に限っても、実は高校で学ぶ内容は本質的にものすごく難しいです。教科書の内容や問題集の模範解答を覚えれば、試験で合格がもらえるかもしれません。しかし、それは真の理解ではなく、本当の勉強ではありません。誰かが作った画一的な解釈に安易に囚われず、自分で真剣かつ貪欲に答えを求めれば、「Eureka!」と叫ぶときがあなたにも来るはずです。難しい問題に取り組むには多種多様な経験も必要ですから、積極的に外に出て色んなものに触れ、見聞を広げて欲しいと思います。
- おすすめの書籍
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『キャンベル生物学』