中村 輝(なかむら ひかり)さん

卒業年月2018年3月

卒業論文香港の観光政策と日本人の香港意識

所属ゼミ宮内肇ゼミナール

卒業後進路日本航空(株)




私は、旅行で香港を訪れたことをきっかけに中国語圏に対し興味を持つようになりました。そして、本学域の言語だけでなく中国語圏の歴史・文化・社会など幅広く学ぶことのできる環境に心を惹かれ入学を決めました。入学後、中国語圏に関する講義だけでなく、文学部の特徴である、学域を超えて講義を受講できる点を活かしさまざまな分野の授業を受講しました。その中でも、「国際関係と日本」という講義を通して、世界で起きていることに対しどれだけ日本との関わりがあるのかを学びました。また、第二外国語で受講をしていた英語のクラスでは、英語という言語を学ぶだけではなく、社会問題や人間心理などを英語で学ぶということの価値や楽しさに気づきました。このような大学での学びから日本という国を外から見てみたいと思い、2回生の前期には立命館・カリフォルニア大学デービス校「アメリカの言語・文化・社会」プログラムに参加しました。ホストファミリーやさまざまな国や地域から集まる学生と過ごす中で、異文化に触れ、戸惑うこともありました。指を使って数を数えるだけでも、国や文化によって違うのだと衝撃を受けたことを覚えています。

【天津・南開大学でともに学んだ仲間と】

大学で中国について学ぶうちに、実際に中国本土を訪れてみたいと思い、2回生の春休みに異文化理解セミナー南開大学に参加しました。天津にある南開大学で中国語や中国の伝統文化を学ぶだけでなく、北京・杭州・蘇州・上海を訪れたので、それぞれの地域での文化の違いを肌で感じることができました。このセミナーに参加する前は、講義や本、メディアなどから得た知識とイメージしか中国を理解できていませんでしたが、現地での生活を通して日本では知ることのできなかった中国を深く知ることができました。

卒業論文は、香港の観光政策について執筆しました。香港政府が行う観光政策に対し、日本人は香港の観光業に対しどのような興味・関心があるのかをガイドブックから分析しました。当初は書き上げることができるのか不安でしたが、共同研究室で同専攻の仲間たちとともに毎日のように励まし合いながら執筆した時間は「楽しかった」の一言に尽きます。

 

【中村さんが卒業論文で利用した17年分のガイドブック】【いっしょに卒業論文を作成した仲間】

現在、私は日本航空で客室乗務員として国内線・国際線に乗務しています。日本航空には、ロンドン・フランクフルト・バンコク・台北・香港・上海・シンガポールに拠点があり、さまざまな国籍の客室乗務員と一緒に乗務しています。共に働く中でも互いの文化を受け入れ、尊重し合い一つのチームとして一便一便を運航する大切さを日々感じます。また、乗務を行いながら、「JALふるさと応援隊」として地域活性化のための活動も行っています。私は出身地の岡山県を担当しており、私たちが地域のためにできることを考え、企画、立案をしています。新型コロナウイルス感染症の流行により、私たちの働き方も大きく変化しました。そのような状況下でJALふるさと応援隊の活動に参加しようと思えたのは、大学時代に挑戦することが成長する機会になるということを学んだからです。

立命館大学は留学や講座など「学びたい」と思う事に対してさまざまな選択肢が用意されている大学です。大学で過ごした学生生活を思い返すと、たくさんの失敗や挫折を経験しましたが、それらの経験は全て私にとって貴重な財産となっています。今はまだ目標がなくても、少しでも興味のあることに挑戦する気持ちを大切にしてほしいと思います。

(2021年6月寄稿)