連続リレー講義「現代社会と宗教―世界編―」第6回・カール・ベッカー氏
7月5日(水)、衣笠キャンパスにて、文学部特殊講義「現代社会と宗教―世界編―」第6回講義を、京都大学大学院人間・環境学研究科教授のカール・ベッカー氏を講師に招き講演を行った。
「今、なぜ宗教か」というテーマで、現代社会、特に日本において宗教の持ちうる意義について講義を展開した。現代における宗教のあり方として、氏は、1.教団組織 2.社会体系 3.倫理道徳 4.潜在的な価値観 5.伝統的な知恵 6.実存理論 7.超常体験 の7つのあり方を挙げ、ひとつひとつの持つ意味や果たすことの出来る役割についても言及した。説明の中で氏は、とりわけ日本の宗教の持つ価値観・世界観を、いかにして現代社会に役立てることができるかという視点で現代日本の抱える問題点・矛盾点を具体的なデータを提示しながら説明し、これまでの日本が持っていた宗教の価値観の重要性を述べた。この要素が果たす役割は、医療や健康への貢献に大きく見られ、そこからより大きな、世界が抱える問題への解決の糸口にもなるものであることを強調した。
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