「杉原千畝のビザに助けられたユダヤ人の一人」シルビア・スモーラ氏講演会開催
11月3日(金)、衣笠キャンパスにて、シルビア・スモーラ氏による講演会を開催した。スモーラ氏は1932年ポーランド生まれ。第二次世界大戦中、当時リトアニアの日本領事代理であった杉原千畝氏が発給したビザによって、ナチスの迫害から逃れることができたユダヤ人生存者の一人である。
はじめにスモーラ氏は、講演会の前日、立命館大学国際平和ミュージアムに訪れたことについて触れ、ミュージアムの理念に共感したことを述べると共に、過去の戦争について誠実に向き合い、若い世代に伝えることの大切さを訴えた。講演は、スモーラ氏の幼少時代の話にはじまり、ドイツの偵察飛行機に危うく見つかりかけたという戦中の逃避行の後、無事ビザを取得して渡米するまでの道程について、当時の緊迫感を喚起するような口調でモノクロ写真と共に語られた。
スモーラ氏は、杉原氏のビザ発給が「カオスの理論」に当てはまると指摘。「"アジアの蝶の羽ばたきが、やがてアメリカでハリケーンを起こす"と言われるように、杉原氏個人の人道的な決断が、ビザの発給を受けた数千人のユダヤ人だけでなく、結果的にその子孫を含めた数万人にも及ぶ生命を救った」と述べた。その事実を踏まえてスモーラ氏は「ひとつの小さな良識ある選択が、やがてより大きな良識ある選択になる」と主張。「小さな決断、小さな良識が大事であることを次世代に伝えていきたい」と述べて講演を終えた。講演終了後には質問の時間が設けられ、戦後世代の戦後責任について意見が交わされた。
当日は祝日ということもあって、学生だけでなく一般市民も多く聴講に参加しており、参加者たちは貴重な体験談に熱心に耳を傾けていた。
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