株式会社千葉ロッテマリーンズ事業部長の荒木重雄氏
教室の様子 |
2006年度経営学部 経営学特殊講義「21世紀のプロスポーツ・ビジネス」第10回「日本のプロ野球:チームのビジネス展開」
12月8日(金)、びわこ・くさつキャンパスにて、2006年度経営学部 経営学特殊講義「21世紀のプロスポーツ・ビジネス」の第10回目の講義を行った。今回は株式会社千葉ロッテマリーンズ事業部長である荒木重雄氏が、日本のプロ野球チームのビジネス展開について講演した。
「戦略とは戦いを略すこと、つまり戦わないことであって、マリーンズは他チームとの差別化を意識している」と冒頭で話した荒木氏は、まず近年のマリーンズの取り組みを紹介。入場料やグッズ販売、放映権などを支える観客動員の獲得が全ての始まりだとして、具体的なファンサービスのあり方に言及した。昨年との観客動員数の比較やゲームの勝敗ではなく、ファンにどのようにしてスタジアムで楽しく過ごしてもらうかを考えることが大切だと強調した上で、「『360度ビアスタジアム』では全席自由席でビールを半額にした結果、平日の昼間にも関わらず盛況だった。またプレーオフ前にはバレンタイン監督にちなんだ『ボビー神社』を設置し、前夜祭や決起集会にも多くのファンが来てくれた」と話した。さらに「野球では個々の選手にあたる『商品ブランド』を重視しがちだが、実際は『企業ブランド』、つまりチームの絆に目を向けることが肝心だ」と語った。
質疑応答では、「事業部が選手のファンに対する意識改革に関わっているのか」との問いに対し、荒木氏は「直接は関わっていない。私たちは選手がファンサービスをしやすい環境づくりに努めている。バレンタイン監督の存在も大きいと思う」と答えた。荒木氏の軽妙な語り口に、講義は終始和やかなムードで進められた。
|