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<21世紀・知の潮流を創る、パート2>第1回講演会
パリ第十大学エティエンヌ・バリバール教授「市民性の政治に向けて」開催


10月16日16:30、末川記念会館ホールにて連続講演会<21世紀知の潮流を創る、パート2>「市民性の政治に向けて―暴力とグローバリゼーション」が行われた。

講師はパリ第十大学教授のエティエンヌ・バリバール氏。ホールは満員で臨時のイスが運ばれるほどの盛況ぶり。1960年代『資本論を読む』を刊行し、マルクス主義哲学に多大な影響をもたらしたバリバール氏は新たな市民権や民主主義の可能性をめぐって熱弁をふるった。「市民性の政治は国家を文明化するための努力と同時に、革命・反乱を文明化するための努力を呼び起こすのだ」とバリバール氏は語る。講演はすべてフランス語で行われ、参加者には事前に日本語訳が配られた。

今回の講演は先端総合学術研究科(設置認可申請中)の開設準備の一環として位置付けられている。「公共」「生命」「共生」「表象」の四つのテーマのもとで展開されるプロジェクトを研究し、新たな学問分野を切り開く「新構想大学院」。2003年4月の開設が楽しみである。

講演を熱心に聞き入っていた文学部四回生の男子学生は「著作などで以前からバリバール氏を知っていた。市民権をヨーロッパの移民問題と密接に絡めながら語っているのを聞き、難しいが興味深かった」と話した。また応用人間科学研究科博士課程前期過程一回生の女子学生は「先生に勧められたので来た。普段接する事のない分野に携われたので視野が広がった気がする」と言っていた。