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立命館ニュース |
秋季公開講演会「731部隊研究からみた科学(者)のあり方」開催 |
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11月30日(土)、衣笠キャンパス以学館で、秋季公開講演会「731部隊からみた科学(者)のあり方」が行われた。講師は、神奈川大学経営学部常石敬一教授(ご専門は、科学史、科学社会学、特に生物科学兵器軍縮)。 731部隊は旧日本軍の秘密部隊として、1936年成立。京都大学医学部の細菌学、病理学、生理学、医動物学などの民間研究者が主力になり、毒物効果についての人体実験を数多く行った。 講演で常石氏は、731部隊は医学研究の名において人体実験を行い多くの人々を殺害してきた、と具体的な例をあげながら指摘し、「何のために人体実験はなされるのか。731部隊のそれは許されるか。許されないのであれば、なぜ、どこが悪いのか。それらを考えるためには『人間』とはなにか、また『科学』とはなにかを考えなければならない」と聴講者に投げかけた。 講演後、理工学部3回生の女子学生は、生物学では731部隊のことは知っておいたほうがいいと教授に進められて来たという。彼女は、「講演前は731部隊の活動はよく知らなかった。実験内容に驚いた。私も将来、薬の研究などをしていきたい。薬に関する実験は動物を使って行われるが、その実験台が動物と人間では違いがあることは否めない。でもだからといってやはり人間として許されないことを行ってはいけないと思う」と感想を述べた。講演後は質問者が続出し、時間の都合上それらが途中で打ち切られるほどの反響ぶりだった。 |