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アマルティア・セン教授を招いた国際シンポジウム「21世紀の公共性に向けて」開催



6月2日(月)、先端総合学術研究科開設記念国際シンポジウム「21世紀の公共性に向けて―セン理論の理論的・実践的展開―」が衣笠キャンパス以学館2号ホールで開催された。

ノーベル経済学賞受賞者でありケンブリッジ大学トリニティカレッジ学長である、アマルティア・セン(Amartya K. Sen)教授が基調講演することもあり、会場には多くの聴講者が来場した。セン教授は経済学理論の革新に大きく貢献するとともに、アジアの開発問題へのユニークな研究アプローチで知られている。

セン教授は「民主主義と社会的正義―公共的理性の到達地点―」という題目で、民主主義の多様な局面、とりわけ公共的理性に注目しながら講演を行った。公共的理性とは、民主主義を相互好意的参加と公共的討議の機会の観点からとらえる見解であり、教授はこの公共的理性の特性に注目し、人々の持つ権利と社会的目標との関係について論じた。続いて先端総合学術研究科の後藤玲子教授が「セン教授の提唱する<整序的な目標・権利システム>の構想」をテーマに講演を行い、続く第二部では4名の研究者によるパネルディスカッションが行われた。

なお、シンポジウムの冒頭には、セン教授に長田豊臣学長より立命館名誉博士号を贈呈した。セン教授は挨拶で、ジョークを交えながら話し、講演時とは異なるリラックスした表情を見せてくれた。