講義の様子
講義後、学生からの質問を受ける安藤宮崎県知事
2003年度政策科学部「全国知事リレー講座」
「宮崎らしさの発揮」
11月18日(火)、2003年度政策科学部「全国知事リレー講座・後期講座」が衣笠キャンパスにて行われた。後期第7回目となるこの日は、安藤忠恕宮崎県知事が「宮崎らしさの発揮」をテーマに講義を行った。
安藤知事は冒頭、京都・奈良の寺社仏閣などに宮崎県産の木材がふんだんに使われていることを紹介しながら県の魅力をPR。つづいて知事の職務について、世界情勢や日本国内の宮崎の位置づけなどを歴史的観点からも把握し、県民本位の姿勢で眺めていかなくてはならないと、自身の置かれた立場について紹介した。知事はこの中で日本の少子高齢化問題に触れ、確実に減る税収の一方で、ひとりあたりの年金負担が増加することについて、多額の財政赤字を孫の世代にわたって健全化していかなくてはならないとし、江戸時代に米沢藩(現在の山形県)の財政を立て直した上杉鷹山を例えながら無駄な支出の整理をしていかなくてはならないと、緊縮財政の重要性を強調した。また、律令時代、鎌倉時代、室町時代などと歴史を追って日本の国土構造についてふれ、今後の日本は分権と競争の時代になる中で、都市と地方がお互いに地域の選択と責任に基づく自立的発展を成し遂げていかなくてはならないとの持論を展開し、宮崎らしさの発揮として、癒しの空間としてのスポーツ王国や第一次産業の発展のために知事自らがトップセールスとして各地で県を宣伝して歩くと宣言した。
講義後、学生から「宮崎らしさの発揮という中で、ほとんどの地方が自然との共存や癒しの場を売り文句にしている。地域間競争の中で宮崎県はどう向き合うか?」と尋ねられた知事は、「気候や風土など同じ自然でも全く違う。差別化を図らなくてはならないが、その中身をこれから探し求めていかなくてはならない」と答えた。また他県出身の学生からは、地元(岐阜県)名産の富有柿を「県民からのプレゼント」として渡され、知事は「どうもありがとう」と快く受け取り会場を後にした。
2003年度 後期セメスターの講師と講義テーマは
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