講演の様子
ドコモのモバイル技術の動向と展望を語る
立川代表取締役社長
BKC開設10周年企画 企業トップ連続公開講演会第3回 株式会社NTTドコモ代表取締役社長立川敬二氏
12月16日(火)、びわこ・くさつキャンパス・プリズムホールで企業トップ連続公開講演会が行われた。3回目となる今回のテーマは、「モバイルで実現するユビキタス・ネットワーク社会」。株式会社NTTドコモ代表取締役社長・立川敬二氏によって、日々の暮らしをより便利に豊かに、人と人との絆をより深めるために先を見据えたドコモのモバイル技術の動向と展望が語られた。
「第三世代携帯電話、つまり超高速通信技術を利用した移動通信の市場はこの10年間で20倍に拡大しました。」情報化社会の波に乗り、ドコモ自身も92年設立当時より16倍の収益をあげ、iモードやFOMAのサービスを展開し、現在約8千万人の携帯電話加入者のうち約6割を占めている。ドコモの2010年ビジョンは‘MAGIC’。「モバイルマルチメディアの促進(Mobile multimedia)、いつでもどこでも誰でも(Anytime anywhere anyone)、グローバルにサポート(Global mobility support)、ワイヤレス技術でソリューション(Integrated wireless solution )、個々人の情報生活支援(Customized personal service)を目指す。その為の戦略が、マルチメディア化、グローバル化、そしてユビキタス化の3点。ユビキタス化とはコンピューターを意識することなく現実生活のいたるところで利用できるような環境のこと。「現在我々はFOMAによるユビキタス・ネットワーク社会を考えています。FOMAに関する課題の一つとして第三世代には不可欠のサービスの在り方があげられます。携帯一台あれば何でもできるようなサービスを生み出すべく、インターネット、ビジュアルコミュニケーション、情報配信、位置情報、遠隔監視・制御、決済・商品取引などのサービスを創造しています」と立川氏は言う。
これらのサービスは海外でも展開されており、第三世代携帯の世界的普及を目指している。さらに立川氏は、「サービスだけでなく、研究開発も海外にも研究所を設立し、サービスがより高速化されると想定される第四、第五世代まで見据えた研究を展開しています。移動通信を通じて人間の新しいコミュニケーション文化を創造するということが我が社の企業理念です。」と述べた。
続いて、近未来情報化社会のイメージモデルのビデオが上映された。そこには、モバイルネットワークにより、個人端末とシステム交信で街の状況や人の流れが瞬時に把握できる様子や、病院のデータベースと医師のネットワークでどこにいても診察可能な様子、さらには空港でパスポートやボディチェックなどが瞬時に完了する様子などが映し出され、聴講者は興味深く映像に見入り、「医師と対面しなくても診断がされるなんてすごい。」や、「本当に近い将来、こんな便利な機能の中で人々は生活しているかもしれない。」と関心を示す声が次々にあがった。
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