講義の様子
 
ベンチャー企業を起こすための重要点について語る川端秀一氏
 
 
経営学部特殊講義「ベンチャービジネスの未来」
― 講師:株式会社ハナ・プレンティ 社長 川端秀一氏 ―
 
 11月27日(木)びわこ・くさつキャンパスコラーニングハウスTにて経営学部特殊講義−滋賀県産業支援プラザ・滋賀銀行寄附講座−「ベンチャービジネスの未来」が行われた。今回は立命館大学が株式会社ハナ・プレンティと締結した学術協定に基づいて同社社長、川端秀一氏が訪れ講義を行った。

 川端氏はベンチャービジネスの第一線の人としてベンチャー企業を起こすための重要点を自分の経験談をもとに分かりやすく述べた。本講義は滋賀県民に対する公開講座としても開講されおり会場には学生に混じり多くの一般の人の姿も見え、とても賑わっていた。

 ハナ・プレンティは今でこそ資本金3億8250万円という大企業ではあるが創業当時は資本金40万円。「成功するまでには借りた倉庫にダンボールを敷き寝るという生活もあった。きっかけはアメリカの食品流通に関する研修ツアー先で見た花を買うことに対する抵抗の無さだった。花には興味がなかった。生きるためにやった。」と語った。この『生きるため』の力が成功した一番の点ではないだろうか。花を第4の生鮮品としてとらえ鮮度そしてロスをなくし、川上(生産)から川下(販売)への一連の流れを重要視していた。花屋の敷居を低くすることに成功し、暮らしの中に花を取り入れることを提案している。

 川端氏はベンチャー企業を起こすにあたって、@ミクロではなくマクロで(参入する業界全体を)見る。A現物有り(リアルビジネス)B現場主義(必ず作業などする現場を見る)C理念、ビジョン(妄想でない)を持つ。D出口論(目標のために何をやる)、の5つのポイントを押さえることが大切であると述べ、学生に既存流通をちょっと変えるだけで成功するチャンスはたくさんあるとベンチャー企業の将来性を語った。
質疑応答での「ライバル会社は?」という質問に対し「花業界ではどこにもないやり方なのでライバル会社はいない。」と答えた。

 熱のこもった講義に聴講者は魅了された。ハナ・プレンティは現在、海外に地産地消のマーケットを開発する企画に取り組んでいる。そして2004年1月締め切りで、本学 大学生および大学院生を対象にフラワービジネスに関するビジネスプランを募集する。これにあたっては川端氏から賞金および事業費が支援される予定。