エリオットS・ミルシュタイン氏による基調講演
法科大学院の課題と可能性について語る園部逸夫氏
立命館大学法科大学院開設記念式典 挙行
5月14日(金)、今年4月に開校した立命館大学法科大学院の開設記念式典が、衣笠キャンパス以学館1号ホールで開かれた。式典に続いて行われたシンポジウムでは、米アメリカン大学ロースクール教授のエリオットS・ミルシュタイン氏と本学法学研究科客員教授の園部逸夫氏が法科大学院の課題と可能性について基調講演を行った。
続いて、「新しい法律家とこれからの大学院」と題したパネルディスカッションが行われ、弁護士 土井香苗氏、日本経済新聞社社会部編集委員 横山晋一郎氏、本学法務研究科教授・日本弁護士連合会前事務総長 大川真郎氏のさまざまな意見が交換された。当日は招待者、大学院生、法学部生、教職員合わせて300人が会場に訪れ、講演に聞き入った。
《基調講演》
米国のロースクールで法実務教育の主導者であるミルシュタイン氏は、法科大学院の開設にあたり、法務教育においては現実世界で法理論を考えることが重要であると述べた。その上で、ロースクールで取り組むべき課題として実務家を実践教育に携わる教育者として迎えること、実際の訴訟を扱いながら法律を学ぶケーススタディを取り入れることの二点を指摘した。また、グローバル化が進む中で国際的法曹人の育成が欠かせないとして、国内法だけでなく外国法、国際法などさまざまな法律を学ぶ必要があると語った。
次に、「日本における法学教育の復権」と題した講演の中で園部逸夫氏は、はじめに法学教育において、これまでの大人数教育から教授との対話を中心とした少人数教育に移るべきだと述べた。さらに実務教育のために実務家を受け入れることが重要だと話した上で、そのために実務家の実績を評価するシステムを構築することが21世紀型教員の育成のために必要だと語った。また、地球規模で活躍する法曹人育成のため、これまでの西洋言語へと傾倒した語学教育からアジア言語にも重点をおいた教育体制を整えるべきだと話した。最後に、「立命館大学の卒業生として誇りを持てるように充実した生活を送ってください」と話し、会場の学生らを激励した。
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