木村良樹 和歌山県知事
講義前の歓談の様子
「全国知事リレー講義」後期第1回「鄙(ひな)の底力」
10月5日(火)、立命館大学衣笠キャンパスにて法学部法政特殊講義「第2期全国知事リレー講義」の後期第1回が行われ、和歌山県知事の木村良樹知事が講義を行った。
冒頭で木村知事は「ここ10年で日本の民間は変わった。それによって今の日本は自信を取り戻しつつある。しかし、政府はそれほど変化がない状況である。しかし、自治体も国も変わらなければならない時期であることに、住民は気づきはじめている」と現在の日本について説明し、行政の改革の必要性を訴えた。
続けて、知事は三位一体改革について触れ、「税源移譲などの三位一体改革では、国と地方の関係について根本的な解決は出来ない。地方自治を充実するには、地方自治の制度そのものを変えなくてはいけないのではないだろうか。今はどこでも同じ事をするためのお金を交付されているが、自治体ごとに違うことをしても良いのではないだろうか。そうなると、市町村合併や道州制が重要になってくる」と述べた。さらに、道州制について「和歌山はかつて阪奈和合併(※)を考えていた事もある県であり、私も知事会で道州制についての研究会の座長に就いている」と語った。
また、「道州制や三位一体改革という大きな変化の中で、地方はある程度の地力を持つのが大事である」と述べ、和歌山県の取り組みについて、第一次産業と言われる農林水産業をサポートしたり、公共事業の透明性を高めたり、また、最近では紀伊山地の世界遺産登録によるイメージアップなど、地域の力を高めている事を紹介した。
最後に知事は「世界遺産の事は、冗談半分が最終的にはこんな大きな事になった。改革にしても、ちょっとしたアイデアが大きな発想へ繋がるのである。まず石を投げて波を起こすことが大事なのである」と物事のきっかけが重要であることを強調し、講義は終了した。
講義を受講した横田千明さん(法学部2回生)は「木村知事は想像以上に気さくな方で、話もわかりやすくとても興味深い講義でした。地方自治体の金銭事情や小泉政策の影響など現場の声を聞き、地方分権への関心が高まりました」と感想を述べた。
この講義は全国知事会及び財団法人自治総合センターの主催で行われ、前期に引き続き後期も立命館大学で開講される。
※阪奈和合併・・・大阪・奈良・和歌山の三府県で合併しようと1963年ごろに計画されていた合併構想。
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