福井県知事の西川一誠氏
 

講義前の歓談
 
 
全国知事リレー講義 第7回「福井の風を全国へ」
 
 2004年11月16日(火)、法学部法政特殊講義「第2期全国知事リレー講座」の第7回が立命館大学衣笠キャンパスにて行われ、福井県知事の西川一誠氏が講義を行った。

 知事は冒頭で立命館大学と福井県の関係について、先日文化勲章を受章した白川 静名誉教授は福井県福井市の出身であることを紹介し、これを受けて博物館に文字学のコーナーを作る計画があることを明らかにした。
 続けて、福井県の特徴を話し、男女ともに日本で2番目に長寿の県であることや、メガネフレームの生産量が全国1位であることなどを紹介しながら、「福井県はあるアンケートでは47都道府県で一番場所を知られていない県だった。もっと福井を知ってほしい」とアピールした。また、原子力発電所についても触れ、福井県だけで関西の60%の電力をまかなっていることや、現在3機の発電所が稼動を停止していることを説明した。
 防災対策の問題や危機対策について「災害の後になってから当時の対応を批判されることは多いが、その当時には気づかない場合が多い。しかし、何事も前倒しで対応する『プロアクト』を心がけている」と説明した。また、今注目を集めている拉致問題について触れ、解決を願い、ブルーリボンをつけていると話した。
 地方自治については「現在は中央集権ならぬ中央分権であり、中央がバラバラでは地方分権もままならない」と現在の三位一体改革で揺れている政府を批判した。その中で「道州制の議論はわかるが、弱い国家が集まってひとつの国になる連邦制の議論は間違っている」と連邦制についても批判した。

 最後に知事は橋本左内など、幕末の志士を紹介し、「皆さんが自分の時代、世代を作る。がんばってほしい」と学生へメッセージを送り、講義は終了した。

 講義を受講した福井県出身の前川彰彦さん(法学部4回生)は「ほかの知事とは違った切り口で話しだったので、斬新で興味深かったです。災害時には対応が早く、県民から見て仕事ができる知事だと感じていたのが、今日の講義を聞いてさらにそう感じました」と感想を述べた。