石橋浩之氏
 

石橋浩之氏による講演の様子
 
 
キャリア形成科目「技術者のキャリア」リレー講座 日立化成工業 石橋浩之氏「材料研究開発と事業化・GSO-PETが誕生するまで」
 
 2004年11月30日(火)、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)で、日立製作所との教育研究に関する包括協定に基づくキャリア形成科目「技術者のキャリア」の一環として、日立化成工業株式会社 総合研究所 主任研究員、石橋浩之氏による「材料研究開発と事業化・GSO-PETが誕生するまで」の講演会が行われた。

 医療用画像判断装置であるPET(Positron Emission Tomography)は、近年急速に広まっており、その中で日立化成が生産する単結晶シンチレータ(GSO)がPET装置内の放射線検出素子として採用、実用化され優れた診断画像を提供している。「GEO-PET装置は10mm以下の初期がんも発見できます。この装置の普及によってがん撲滅に貢献できれば幸いです」。と石橋氏は述べた。

 しかし、GSOがPET装置に採用されるまでの道のりは決して楽なものではなかったことを石橋氏は振り返り、「GSOはユーザーに対する認知度が低く、もっと知ってもらうために学会発表が必要だと感じました。ほぼ半年毎に米国に出張し、学会発表と顧客訪問を精力的に行いました。成果が出ない厳しい時期もありましたが、その中で出会ってきた多くの海外研究者の方などの協力を得て、今日のGSO事業があるのです」と語った。

 「成功の秘訣は、成功するまで諦めないことです」と言う石橋氏は今や米国に留まらず、世界各国で学会発表を続けている。さらに「製品開発で利益を得る、特許申請をする、研究成果を発表するなど、研究者として生きている証拠を残そうとする志が大切です。企業の研究開発には終わりがないのですから」と学生達に研究者としての心得を伝えた。