座談会の様子
是枝裕和氏
立命大学産業社会学部創設40周年記念講演「映画を撮りながら考えたこと」是枝裕和監督を囲んで映画上映と座談会
2004年12月4日(土)、立命館大学衣笠キャンパス 以学館2号ホールにて産業社会学部創設40周年記念式典が開催された。式典終了後、40周年記念企画の一環として、映画監督の是枝裕和氏を迎えて映画『誰も知らない』上映と、「映画を撮りながら考えたこと」をテーマに座談会が行われた。
カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した上記作品を上映の後、監督は題名にこめられた意味について「この題名には二つの意味がある。1つはそのままの意味で、このような子どもたちの存在を"誰も知らない"こと。もう1つは、この映画のもとになった実際に起こった事件でのエピソードから、子どもの内面的な豊かさを"誰も知らない"という意味が込められている」と語った。監督の作品では残された側の人間を描く作品が多いという指摘に対して「私は『人は喪の途上においても創造的である』という言葉がとても好きです。失ったものが大きくても、その中で生まれてくる何かがある。失った後も自分自身はずっと生きていかなければいけないのだから。あまり意識はしていないのですが、そういう感情の動きには目がいってしまいますね」と答えた。また、監督は自身の大学時代も「自分のアパートに、誰が住んでいて、どんな生活をしているかなんて知らないし、興味もなかった」と経験を語った。
現在はドキュメンタリー番組を数多く撮っている是枝監督だが、そんな大学時代の反省も踏まえて「知るために」撮っているのだという。「『知る』ことは時には怖い。しかし、自分の世界観が変わっていくことや、新しく再構築することは映画を撮る上でも重要なことなのです」と映画に対する真摯な姿勢が伺えた。座談会終了後もホールの入口で参加学生達と語り合う監督の姿が見受けられた。
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