島根県の澄田信義知事
 

授業前の歓談の様子
 
 
全国知事リレー講義 第12回
「自立的に発展する島根県をめざして〜地方からの挑戦」
 
 2005年1月18日(火)、法学部法政特殊講義「第2期全国知事リレー講座」の第12回が衣笠キャンパスにて行われ、島根県の澄田信義知事が講義を行った。

 冒頭で知事は、最近の自然災害について触れ、「災害対策は国が行うものだと思っていたが、首長の判断一つで助かることもある」と、新たな危機管理の必要性について述べた。さらに、知事になる前に国鉄で働いていたことを紹介し、この時の経験が知事となった今、現場主義の基礎になっていることを説明した。

 続いて、知事は島根について「かつては重工業の国だった」と述べ、古墳の時代から大正末期まで鉄の生産が行われていたことや、石見銀山の銀は戦国時代にポルトガルの地図に書かれているほどの産出量を誇っていたことなどと紹介した。現在の島根県について、「島根の財源は他の県よりも悪い。財政再建団体になってしまう危険もあった」と交付税の削減により財政危機となったことに言及した。「島根県は、人口が全国46位、高齢者の割合が全国1位、100人以上の事務所に勤める人の割合も全国46位と数字が悪い。しかし、少子高齢化の進む日本の、近未来の縮図と言えるのではないか」と島根のデータを紹介し、「自立し、持続可能な発展が出来るかどうか、日本の未来の大きなテストケースとなるのではないか
」と、今後の島根の展望について述べた。

 また、島根の今後については出雲大社や津和野、隠岐などを観光トップブランド構想として観光資源のブランド化を進めていることや、岩カキやノドグロ、いちじくなどの名産品をインターネットで取り扱うなど、観光資源を中心に政策を進めていることを紹介した。

 最後に知事は「日本の再発見が話題となっている今、そんなオファーに答えられるのが島根ではないだろうか」と島根の将来性について述べ、「人は宝である。是非、島根に来て、その宝探しをして欲しい」と学生へメッセージを送り、講義は終了した。

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