「ムッちゃん平和像原型」について説明する村上隆氏
 

寄託式典の様子 
 
 
立命館大学国際平和ミュージアム
「ムッちゃん平和像」寄託式典
 
 2005年3月22日(火)、立命館大学国際平和ミュージアムにて、彫刻家村上 炳人氏の作品「ムッちゃん平和像」の寄託式典が行われた。「ムッちゃん平和像原型」を少しでも世界平和に貢献できる場所で活用してほしいというご遺族の願いのもと、ミュージアムの新たなシンボルとして1階エントランスに展示されることになった。式典には、安斎 育郎立命館大学国際平和ミュージアム館長、岡田 英樹副館長、故村上 炳人氏のご長男の村上 隆氏、福井 逸治大阪千代田短期大学教授らが参加した。

 「ムッちゃん」は、太平洋戦争中、疎開先の大分で防空壕にひとり残され、終戦を知らずに飢えと結核で亡くなった当時12歳の少女であるということしか分かっていない。ムッちゃんとかつて交流があった中尾町子さんの新聞投稿がきっかけで、全国から基金が集められ、平和を祈るシンボルとして「ムッちゃん平和像」が制作された。「ムッちゃん平和像」は太平洋戦争での苦難を伝えるだけではなく、現代における世界中の子供たちの受難のメッセージでもある。

 安斎館長は「ムッちゃん平和像は感性によって平和を訴える、日本の文化性あふれる作品である。従来の当館の学習要素に富んだ展示品とともに、多くの人に見てほしい」と述べた。