井上博司市長による講義
 

講義後、学生の質問に答える井上市長
 
 
リレー講義「自治体外交の挑戦 〜市町村長、わがまちの国際戦略を語る〜」
第3回「函館市の国際化戦略 〜国際交流から地域の国際化へ」
 
 4月22日(金)、衣笠キャンパスにて「自治体外交の挑戦 〜市町村長、わがまちの国際戦略を語る〜」の第3回目講義が行われ、函館市の井上博司市長が「函館市の国際化戦略 〜国際交流から地域の国際化へ」をテーマに講義した。

 講義の冒頭、市長は、「新撰組」を通じた京都と函館の繋がりについて触れ、函館の歴史を紹介し、「函館は、幕末に開港して以来、『開港場』として発展を遂げてきたことで、現代も函館市独特の『国際性』が根付いている」と語った。

 続いて、函館市の国際戦略について、「多様な国際交流の促進」という観点から、隣接するロシアを中心とした海外との交流や「財団法人北海道国際交流センター」、「世界星形城郭 サミット」などを通じた国際交流事業に触れ、市民レベルに至るまで幅広い分野で国際交流を行っていると紹介した。また、今後の国際化施政の展開については、「国際観光都市」としてのみならず、「国際水産・海洋都市」としてもさらに発展し、「函館方式」国際戦略を確立することを述べ、講義を締めくくった。

 学生から、アイヌ問題やグローバル化が進む世界の中での地域産業など、幅広い質問が市長に寄せられ、井上市長はそれら一つひとつに熱心に耳を傾け、質問に丁寧に答えた。

 講義終了後、市長は、「受講生の中には函館を研究対象にしている学生もいて非常に刺激を受けた。学問に対する姿勢を忘れずに、教育の場のみならず、国際舞台においてもアクティブに頑張ってほしい」と学生へメッセージを送った。

 講義を受けた淺川貴広さん(国際関係学部3回生)は、「函館市独特の国際性や地勢などを活かした外交戦略は『函館方式』外交戦略と呼ぶことができると思う。函館市の海外交流事業のほとんどが市民の働きかけによって行われ、市が基金を設立し、金銭的な援助も行っていること、官・民・学などの様々なレベルでの交流を行っていることはどれも注目に値する」と感想を語った。