会場の様子
田中康夫知事による講演
長野県知事 田中康夫氏講演会
「コモンズから始まる信州ルネッサンス革命」
5月16日(月)、衣笠キャンパスにて長野県知事の田中康夫氏が「コモンズから始まる信州ルネッサンス革命」と題した特別講演会を行った。
冒頭、知事は長野県が日本で唯一県債残高を減少させたことについて「単なる縮み思考ではない」とし、財源を福祉、医療、教育に重視させた点について説明した。そして、本来経済効果がないとされてきたこれらの分野を「21世紀の産業」と位置づけた。特に、教育については小学校で1クラス30人規模の学級にしていることや、月1回地域食材の日を設けるなど具体案を述べた。また、「人件費は最大の事業費である」とし、予算の30%を人件費として使っている理由にも触れた。
次にキーワードとして「優しさ、確かさ、美しさ」を挙げ、特に「確かさ」の一環として長野県独自の政策である原産地呼称管理制度や温泉表示認定制度について語り、原産地呼称管理制度についてはソムリエの田崎真也氏にも評価を依頼している点などを述べた。
また、各地で規制緩和が叫ばれている中、「規制緩和と規制強化のアクセントが大事。規制強化すべきところもある」と独自の見解を示し、JR西日本や関西電力の事故についての問題を言及した。 規制緩和については、小学校や道路の新設、補修の財源構造を例に挙げ、今の制度では各自治体は補助金の給付される事業しか行わなくなる点や補助金の割合が60年間変わっていないことなどの問題点を指摘し、国の補助金の給付設定の仕方について批判した。また、脱ダム宣言や、マンション軽井沢メソッド宣言などについても説明し、講演会は終了した。
講演会に参加した法学部3回生の内田裕資さんは「私の県も長野県のように財源を考えて使って欲しいと思った」と感想を述べた。
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