講義を行う山梨県の山本栄彦知事
 

授業前の歓談の様子
 
 
全国知事リレー講義第5回
「環境首都山梨の底力-美力・民力・創力-」
 
 5月17日(火)、衣笠キャンパスにて法学部法政特殊講義「全国知事リレー講義」第5回が行われ、山梨県の山本栄彦知事が講義を行った。

 知事は冒頭で、甲府市長の頃の経験について触れたのち、「かつては、均衡ある発展が期待されていたが、今の時代には合わない。新しい全国総合開発計画により、個性ある発展、主体的な地域作りが求められている」と述べた。山梨県の個性については、「富士山や八ヶ岳などの山に囲まれており、ぶどうや桃などの斜面を活かした産業が活発である」と説明し、「京都や奈良など、かつて盆地は政治や経済など文化の中心だった。まだ認知度は低いが、これからの盆地について役割を考える『盆地学』を、今後も提唱していきたい」と、地形的な特徴を生かすことが個性となることを語った。

 また、知事は「生産一辺倒からの脱却が必要である」と述べ、「35年前の大阪万博のテーマは『人類の進歩と調和』だったが、愛知万博のテーマは『地球との共生』である」と、産業の重点が地球環境に当てられていることを説明し、山梨県でも環境に合わせてリニアモーターカーの実験が続けられていると紹介した。

 最後に知事は、道州制について触れ、「きちんと国民に説明し、理解して貰う必要がある」と説明の必要性を訴え、講義は終了した。