那覇市の翁長 雄志市長
講義後の質疑応答の様子
リレー講義「自治体外交の挑戦 〜市町村長、わがまちの国際戦略を語る〜」
第9回「万国津梁の精神とともに、イデオロギーの時代を超えて〜ゴルバチョフ元ソ連邦大統領の招聘をとおして〜」
6月17日(金)、衣笠キャンパスにて「自治体外交の挑戦 〜市町村長、わがまちの国際戦略を語る〜」の第9回目講義が行われ、那覇市の翁長 雄志市長が「万国津梁の精神とともに、イデオロギーの時代を超えて」と題して講義を行った。
講義の冒頭、市長は那覇の言葉(琉球語あるいは沖縄方言)で自己紹介し、沖縄の文化の多様性についてふれた。千年にわたる沖縄の歴史について「沖縄はかつて琉球国という独立国であり、中国をはじめアジア諸国との貿易で栄え、独自の文化を築いてきた。これは、『万国津梁』の精神に表されている。しかし、島津が琉球侵攻し属国になった後、廃藩置県によって『沖縄県』となった」と紹介。また、太平洋戦争(沖縄戦)から1972年に「日本復帰」するまでアメリカの占領下にあった沖縄の状況について触れた上で、「今日に至っても米軍専用施設の75%が、日本の0.6%の面積の沖縄に集中している」と言及した。
続いて、市長は、那覇市の取り組みについてふれた。始めに、「ゴルバチョフ元ソ連邦大統領の招聘」について紹介し、「沖縄県民に冷戦構造が終わったことを示したかった」と述べた。また、中台関係について、上海、台北、那覇の三都市交流の実現に向けて交渉を進めていると述べた。「トランスフォーメーション(米軍の世界規模の再編)」に際しては、沖縄知事らとワシントンへ要請していることを紹介し、「国に任せておけば、沖縄ばかり負担させられることになる。沖縄の声をアメリカに主張しないといけないが、その度にアメリカからは日本の国内問題と言われ、難しさを感じる」と語り、「本来、外交は国がやるべき仕事ではあるが、沖縄の場合は地理的条件や基地問題などから切実である。沖縄の役割を果たしていきたい」と意気込みを述べた。
最後に、「日本が高度経済成長をなしとげたのも、沖縄に安全保障を過度におわせたからで、しわ寄せの上にあるあやうい平和であることを自覚してほしい」と述べ、小さな沖縄に米軍基地が密集していることは、日本の、日本人の安全保障の問題であり、1人1人真剣に考えなければいけないと強調した。
学生からは、米軍基地と自衛隊基地、米軍基地と経済、沖縄人のアイデンティティ、市民外交、観光政策、など幅広い質問が寄せられ、市長が丁寧に答える姿が見られた。
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