株式会社東芝執行役常務の有信睦広氏
会場の様子
テクノロジー・マネジメント研究科
(MOT大学院)開設記念式典・講演会
「世界のエグゼクティブが語る―これからの日本企業に求められる人材像と技術経営」
9月20日(火)、テクノロジー・マネジメント研究科(MOT大学院)の開設記念式典・講演会がホテル阪急インターナショナルで行われ、式典では文部科学省高等教育局専門教育課長 浅田和伸氏と経済産業省産業技術環境局産業技術政策課技術戦略企画官 中園雅巳氏より挨拶があり、講演会ではMOTに関する政策提言をしてきた味の素株式会社顧問の山野井昭雄氏と、株式会社東芝執行役常務の有信睦広氏が「これからの日本企業に求められる人材像と技術経営」をテーマに講演した。
山野井昭雄氏は研究について、@知的好奇心による学術研究A産業化の可能性のある基礎研究などに区分し、これまで大学が担うことが少なかった産業化の可能性のある基礎研究が重要となることを主張した。そして、消費者のニーズやコストを考える人文科学や社会科学的研究を含めた文理融合を進め、研究者の研究論文を産業界が実業化するための人材が求められると語った。また、山野井氏は自前主義からの脱却や消費者のニーズに合った商品開発など、味の素での経験を紹介し、産学連携を進めていく必要性を語った。
有信睦広氏は、欧米企業と違い、研究開発が企業業績に結びつかず、産学連携が遅れた日本企業にとって技術マネジメントが今後重要になると語った。そして、複数の技術が融合し、新しいイノベーションに結びつくとし、典型的な例として東芝が開発した「日本語ワードプロセッサ」をあげ、技術革新の視点から技術マネジメントのあり方について語った。「イノベーションの視点で再統合していく必要がある。これからは安全性・快適性など量より質が重視されるだろう。新しいイノベーションのために産学連携が重要になってくる」と話し、大学と産業界がともに新たなビジョンやコンセプトで人材育成や技術革新を考えていく必要性について語った。
会場には、民間企業など様々な分野から約170名が訪れ、各氏の話に興味深く聞き入っていた。
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