前家元、千玄室大宗匠による講義が行われた
 

実技を通して作法を学ぶ受講生たち
 
 
夏期集中講義「茶道文化史」開講
 
 立命館大学夏期集中講義「茶道文化史」が9月5日(月)から5日間、京都市上京区裏千家茶道学園・裏千家茶道会館において開講された。同講義は裏千家協力のもとで、行われている科目で、約450名の受講希望者のうち受講許可された60名の学生が受講した。授業では茶が日本に伝来してから、茶道として変遷していく過程を茶道史として学び、その本質である総合的な文化体系を「知る・感じる」ことが主眼となっている。

 6日(火)の授業では前家元、千玄室大宗匠の講義が行われ、60年前の戦争体験をふまえ、平和の大切さや茶道の心を語り、「戦争で生き残ったものとして、平和の素晴らしさ・大切さを伝える使命を感じている。茶道という素晴らしい日本の文化を通じ、和の心を伝えることができれば」と受講生に熱く語った。なお、千玄室大宗匠は前日(5日)に日本政府から外務省の国連親善大使の委嘱を受けるなど、多方面で平和・文化交流等に活躍されており、多忙なスケジュールのなかでの講義であった。

 5日間の講義では茶道全体についての講義とともに、実技も行われた。実技では、礼の仕方、茶のいただきかたなど茶道の初歩的な作法を学ぶ。またその他にも、花・香・菓子など茶道を取り巻く幅広い文化をも学ぶ講義体系となっており、受講生達は茶道文化の奥深さに触れるとともに、日本文化の素晴らしさを体感したようであった。