河合塾専任講師・河合文化教育研究所研究員の
大竹真一氏
会場の様子
2005年度 第3回「教育実践フォーラム(理工系の導入期教育)」開催
10月11日(火)びわこ・くさつキャンパス(BKC)にて、2005年度 第3回目の教育実践フォーラムが開催された。今回のフォーラムは、「高校生の学習実態から知る導入期教育の重要性」をテーマとして、文社系と理工系の違いを考慮し、「理工系の導入期教育」に重点を置き、キャンパス別に開催され、教職員、院生、学生ら約90名が参加した。
高大連携推進室の椋本洋教授が司会を務め、はじめに河合塾専任講師・河合文化教育研究所研究員の大竹真一氏から、高校生の理系教科の履修実態などについて基調講演が行われた。その中で、学力低下はもとより、学力差の拡大、学習意欲の低下なども問題であり、今後対応を考える必要性があると提起された。
続いて、情報理工学部の陳延偉教授より、平成16年度から情報理工学部で行っているプレイスメント・テストによる学力調査について報告があり、学生間の学力差に入試方式が影響しているという結果が示された。成績下位の学生には、フォーローアップ・ティーチングやオフィスアワーで学生を個別に指導することにより、成績上位と下位の差を出来る限り縮める努力を行っていると紹介した。理工学部の大坂博幸教授からは、導入期教育に充分に取り組めていない現状の報告があり、「陳先生が実践されている学力調査は興味深く、挑戦したい」と語られた。
また、高大連携推進室課長 宮下明大氏からは、今年度 高大連携で行ったアドバンスト・プログラムの受講者(理工学部・情報理工学部入学希望者)に対して行ったアンケート結果を踏まえ、合格通知を手にした学生から、大学に課題をもらって様々な学習にチャレンジしたいという要望が高まっているとの紹介があった。
報告終了後の質疑応答では、新入生の実態や導入期教育の課題について、議論が行われた。リメディアル教育の考え方についての質問には、大竹氏から「リメディアル教育においては、高等学校の課程に沿って再度教えるのではなく、大学教育の視点から改めて教えなおすことが必要である」との返答があった。
最後に、司会の椋本氏より、「入口から出口の一貫教育を実現させるため、本学の学士課程にどのように導入期教育を取り込んでいくかを考えることが今後の課題である」とのまとめがあり、今回のフォーラムは締めくくられた。
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