秩父神社宮司の薗田稔氏
教室の様子
2005年度連続リレー講義「現代社会と宗教」
後期第3回宗教リレー講義「森に生きる文化と神道」
10月10日(月)、衣笠キャンパスにおいて、連続リレー講義「現代社会と宗教」の後期第3回授業が行われた。秩父神社宮司、薗田稔氏を講師に迎え、「森に生きる文化と神道」をテーマに講演をした。
埼玉県と山梨県の県境に位置し、四方を山に囲まれた秩父。その中心に位置するのが秩父神社である。夜祭でも有名なこの神社の宮司を勤められる薗田氏は、神社を中心とした神道(しんとう)の信仰には日本人古来の自然崇拝(アニミズム)の精神が宿っていると語る。外国の目から見える「日本人の無宗教性」は、アニミズムと結びついた儀礼や祭りを中心とした信仰形態を海外の人も我々も理解していないために生じる誤解だとし、西洋の宗教観にとらわれない宗教の多様な形を示した。
また薗田氏は、「愛・地球博」にも積極的に関わっており、そこで上映した「森のまつり」という映像作品を交え、日本の風土の美しさと、そこに現れる“宗教”の姿を説いた。その上で自国の個性、特徴を知ることこそが、日本人が国際人になるために必要ということを述べた。
会場に集まった約500名の受講生は薗田氏の講義に熱心に聞き入っていた。
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