シンポジウムの様子
会場の様子
立命館大学国際言語文化研究所主催
日本文化と視覚性研究会共催
秋季企画 シンポジウム「現代の残酷物語―アートと映像と文学を結ぶ想像力―」開催
10月28日(金)、衣笠キャンパスにて、立命館大学国際言語文化研究所主催、日本文化と視覚性研究会共催の「現代の残酷物語―アートと映像と文学を結ぶ想像力―」シンポジウムが開催された。
シンポジウムは、現代美術作家のやなぎみわ氏、SF&ファンタジー評論家の小谷真理氏、カナダ・モントリオール大学比較文学科教授のリビア・モネ氏の三氏による講演と、コメンテーターとして京都精華大学人文学部教授レベッカ・ジェニスン氏を交えた討論・質疑応答が行われた。
やなぎみわ氏は、「物語と美術」と題した講演で、自らの作品である「Elevator girls」、「My Grandmothers」、「Fairy tale」という3シリーズの作品をスライドで上映しながら、各作品について作成時のエピソードを交え、解説を行った。やなぎ氏は自らを「大きな物語」が消滅した後の世代として捉え、物語の復権を不可能とした上で、今後のアートのあり方を論じた。
小谷真理氏は、「テクノ・ゴシック少女」をテーマに、現代をテクノロジーとゴシックの結びついた時代であるとして、文学作品から映像作品にわたる<テクノゴシック>を考察した。小谷氏は<テクノゴシック>の持つ「サイボーグ性」に注目し、「女性文化とはだれのものか」という問題を提起した。
リビア・モネ氏は、「女性美術家による大人のための残酷童話」をテーマとし、研究者の視点から、やなぎみわ作品の持つユートピア的想像力ついて言及した。特に「Fairy tale」におけるグリム童話を題材とした作品群に注目し、既存のグリム童話をフェミニズムの視点から再解釈し、脱構築した作品として評価した。
3氏による講演後は、コメンテーターであるレベッカ・ジェニスン氏、聴講者を交え、活発な議論が行われた。
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