コーパスへアクセスする実習の様子
言語教育情報研究科長・教授の中村純作氏による発表の様子
立命館大学国際言語文化研究所・言語教育情報研究科主催ワークショップ、シンポジウム「英語教育とコーパス」開催
12月3日(土)衣笠キャンパスにて、立命館大学国際言語文化研究所・言語教育情報研究科主催のワークショップとシンポジウム「英語教育とコーパス」が開催された。
第1部のワークショップは、「実際の授業で使えるコーパス」をテーマにコンピューターを使用して、政策科学部教授の梅咲敦子氏の指導の下、参加者が実際にコーパス
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にアクセスする実習形式で行われた。途中何人かの参加者がコンピューターの操作に戸惑う場面もあったが、アシスタントの助けによってすべての参加者が最後の音声コーパスの体験までの一連のコーパス操作の体験をすることができた。
続く第2部のシンポジウムでは、「英語教育におけるコーパスの果たす役割」というテーマで4つの発表が行われた。最初に京都外国語大学教授の赤野一郎氏が「語のパターンを中心とした語彙指導」というテーマで語彙指導にコーパスを利用する実際例を提示した。続いて日本大学助教授の中條清美氏が「コーパスに基づいたシラバスデザインとその実践」をテーマに、大学一年生の授業に英字新聞と日英パラレルコーパスを使用したシラバスの有効性を発表した。また、昭和女子大教授の金子朝子氏は、日本人英語学習者に特有の前置詞使用の誤りをラーナーコーパスの分析から明らかにする試みを「日本人大学生による“鉛直軸を表す英語前置詞”と“意味のネットワーク”の拡張」というテーマで発表した。
最後に言語教育情報研究科長・教授の中村純作氏と言語教育情報研究科院生の山添幸夫氏から「教科書コーパスから何が見えるか」というテーマの発表あり、中学・高校の教科書を電子化したコーパスを作る過程を示し、さらにそれらを分割表の数量化等の統計手法により処理することによってどの様なことが分ったのかに言及し、シンポジウムを締めくくった。
発表終了後には「コーパスを授業に導入した際の学生の反応はどうだったか」「教科書コーパスを実際の教科書選定に役立てるにはどうしたらよいか」など参加者からの熱心な質問が相次いだ。
(*)コーパス:実際に書かれたり話されたりした言葉を収集してコンピューターに蓄積した大量の言語分析のための資料
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