前志木市長の穂坂邦夫氏
教室の様子
全国知事リレー講義
第11回「地方自治制度の現状と実務的抜本的改革」
12月13日(火)、法学部法政特殊講義「全国知事リレー講義」の第11回が衣笠キャンパスにて行われ、前志木市長の穂坂邦夫氏が講義を行った。
冒頭、穂坂氏は、自身が市議や市長などで39年間も地方自治に関わってきた経歴をや地方自治の歴史について述べ、戦後の護送船団方式である地方の依存体質を批判した。さらに地方自治に無関心な住民にも責任があるとも指摘した。
また、穂坂氏は三位一体改革について「地方と中央の役割分担を明確化し、地方の自己決定と自己責任を進めることが大事である。本来、補助金と法律は切っても切れない関係であるが、国と地方の話し合いでは、財政の話が中心となる。法律も改革しなくてはならない」と、議論が一辺倒になっている問題を指摘した。地方と中央の関係についても「よい国を作るには、足腰をしっかりと固める必要がある。つまり、住民に一番近い存在である市町村が重要となる。市町村の重みや大切さを考えると、地方と中央の関係は垂直ではなく水平な関係を作らなくてはならない」との持論を展開した。
そして、市町村の関係についても「中核市や特例市など、非常に複雑な構造になっている。市町村合併も特例債などおまけ目的のモノが多く、あまり意味がないように思える。中央から地方まで、同様に行われている運営のシステムも直していかなくてはならない」と、抜本的な改革の必要性を訴えた。
最後に穂坂氏は「学生は既得権益にとらわれず、理想論を言うことができる。改革はやってみなくてはわからないものであり、慎重すぎては何も出来ない。リスクを背負ってでも挑戦することが、自立へとつながる」と学生へメッセージを送り、講義は終了した。
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