ランカスター大学教授のイアン・リーダー氏
(写真提供:読売新聞社)
2005年度連続リレー講義「現代社会と宗教」
後期第15回宗教リレー講義「宗教に対する現代人の傾向と既成宗教の課題」
1月23日(月)、衣笠キャンパスにおいて、連続リレー講義「現代社会と宗教」の後期第15回授業を行った。今回はランカスター大学教授のイアン・リーダー(Ian Reader)氏を講師に迎え、「宗教に対する現代人の傾向と既成宗教の課題」をテーマに語った。
日本で静かなブームとなっている四国巡礼。「巡礼」という現象の研究者であるリーダー氏は、「この現象は日本だけではなく、先進国に共通する世界的なものだ。世界遺産として有名なスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼も宗教的な意味合いで行っている人はわずかで、自己の目的のために行っている人がほとんどだ」と語った。
このような世界的な宗教離れの中にも人々は「神秘」や「超常現象」への関心は失わないとリーダー氏は述べ、教団によらず、自分の好みでヨガや宗教思想をピックアップするといった「宗教の個人化」が進んでいると指摘し、これらの出来事を踏まえて、宗教は既に決まっている現象ではなく、時代によって変わっていくものだと定義した。
会場に集まった多くの聴講生は、リーダー氏の講義に熱心に耳を傾けていた。
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