宮本憲一客員教授による基調講演
シンポジウムの様子
シンポジウム「アスベスト問題―何が問われ、どう解決するのか―」開催
2月25日(土)衣笠キャンパスにて政策科学部・政策科学研究科・政策科学会主催のシンポジウム「アスベスト問題―何が問われ、どう解決するのか―」を開催した。
はじめに宮本憲一客員教授による、「アスベスト問題が問いかけるもの」と題した基調講演が行われ、アスベスト災害の問題を提起し、日米のアスベスト問題の研究・調査の違い、そして日本でのアスベスト対策の遅れについて述べた。また、クボタショックとして知られるクボタ旧神崎工場で住民被害が明らかとなり、中皮腫の犠牲者は広がっているにも関わらず、労災適用者は依然として少ない状況にあることを指摘した。最後に「残された課題として発生源の責任と行政の不作為による責任を明確にし、企業の情報公開、被害の全貌を明らかにしていく必要がある」として基調報告の結びとした。
引き続き行われたシンポジウムでは、産業医学総合研究所の森永謙二氏、環境省大臣官房審議官の寺田達志氏、尼崎市保健部長の浅野悟郎氏、神戸新聞編集委員の加藤正文氏、政策科学部の小杉隆信助教授の5名によって、人類史上最大の社会的災害アスベスト問題についてそれぞれの立場から報告を行い、その後ディスカッションを行った。
シンポジウムは、終了予定の時間を延長する白熱したものとなり、会場に集まった参加者は熱心に耳を傾けていた。
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