奥が深い! バトン競技

世界大会で競われる競技はコンパルソリー、フリースタイル、チームという部門があります。コンパルソリーとは、バトンテクニックの組み合わせを行う競技。フリースタイルとは、ソロとペアとチームがあり、各自が自由に選んだ曲目の中で、いかに表現できるかが見所です。あらゆるバトンテクニックが要求される種目で観客をいかに魅了するか、どれだけ審査員の気持ちを引き込めるかが勝負です。チームでは、8人以上の編成で演技します。フリースタイルのチームと違い、各団体が人数構成や、テーマなどで勝負をかけてきます。バトン以外の手具を使えるので、とてもバラエティーあふれる構成になっています。
バトントワリングの技は、現在100種類以上あります。中心となっている操法は大別すると3つに分かれています。主な3つの技を紹介していきましょう!

1つ目は「エーリアル」
空中にバトンを投げ上げます。投げ方にも色々あり、ただ放り投げるだけでなく、サムトス、アンダーハンドトス等のバトン特有の投げ方もあります。投げている間にアイススケートの選手のように、体をクルクル回すことを「スピン」といい、トップの選手になると、5〜7回近く回るそうです。また、投げている間に側転をしたり、前転、側宙、バク転等の体操技、ジャズダンス、バレエの技を取り入れたりもします。投げたバトンの取り方にもバリエーションがあり、普通に取るだけでなく、逆手で取る、背中で受け取る、肩越しに取る、両足の間から取る、頭の上で取る、等があります。投げている間に、どれだけの技を入れられるかで難易度が変化していきます。世界のトップレベルになると、投げている間に側転を3回したりもできるそうです。

2つ目は「ロール」
バトンを手で握らず、顔、首、腕、胴で転がすように回転させます。2種類以上の技を組み合わせることで、難易度が変化します。体や、床に対するバトンの角度が基本通り正確な程、完成度が高く、審査する際の得点に繋がるそうです。

3つ目は「コンタクトマテリアル」
バトンを身体の近くで回転させます。パレードや、野球等の応援で良く見かける、バトンを水平に回す「フラットリスト」や、縦に回す「フィギアーエイト」と呼ばれるものも、この属性に入ります。学校等で、経験のある人には、「水平回し」、「八の字」といった名称だと分かり易いかもしれません。コンタクトマテリアルの場合、いかに素早く、かつ、正確に回せるかで得点が変わってきます。

 

チームになると、技の完成度が全員に求められるので、1人1人それぞれが技を成功せねばなりません。見ている分には簡単そうな技でも、日々の努力の結果で、出来るようになっていくのです。さて、10周年記念公演では、どんな技が飛び出すのでしょう。「ステージ」では、その模様をお伝えします!

小城桂馬  さん
(産業社会学部4回生)

公演に向けて思うことはたくさんありますが、とにかく良い作品なので、多くの人に観てもらいたいです。バトンをしていない人にも何か感じてもらえるだろうし、バトン経験者には高い技術や完成度が分かってもらえると思います。ノーミスでやり通すのは難しいことですが、ミスのないようにできれば、と思っています。また、この公演を通して、指導をして下さっている稲垣正司さん(1999年度産業社会学部卒業)、親や支えてきてくれた方に感謝の気持ちを伝えていきたいですね。