就職活動でのエピソードを教えてください。

 

第1志望の総合商社の不採用を知った日を含めた3日間が私の将来を大きく左右したと思っています。1日目に第1志望の総合商社に不採用を伝えられましたが、翌日の2日目には早速、親しくしていた就職課(現キャリアオフィス)のスタッフや友人達に相談しました。ほぼ第1志望の商社に決まるだろうと思っていたので、ほかの会社の選考を断っていたんです。第1希望の商社に落ちたことで、次に受ける企業がありませんでした。その時友人が、翌日(3日目)に某大手証券会社のセミナーが開催されることを教えてくれたのです。落ち込んでいるヒマはありません。飛び入りに近い感じでしたが、翌日のそのセミナーに参加しました。結局そのセミナーを開催した証券会社から内定をいただき就職することにしたのです。

もしあの時、第1志望の商社の不採用を知った翌日(2日目)に友人達と会わずに家でひとり落ち込んでいたら、私は違う道を歩んでいたかも知れません。2日目にその友人と会わなければ、私はその証券会社のセミナーに行くことはなかったでしょうからね。ショックを引きずらない性格が幸いしました。立ち止まっていてもなにも進みません。辛いことがあっても、直ぐに気持ちを切り替えて前進することで、何かが起こり、事態が好転することもあるのです。

 

現在のお仕事について教えてください。

 

現在は資産運用会社でアナリストとして働いています。具体的には、日本企業の経営内容や財務内容、成長性などを分析して投資判断を行い、ファンドマネージャーに情報提供を行なっています。実際に企業にヒアリング調査したり、財務分析したりして企業の業績や将来性を予測し、それを基に目標株価を算出して「売り」や「買い」などの投資判断を下します。私の担当業界は小売、食品、化粧品・日用品、医薬品と多岐に渡っています。ファンドマネージャーが私の投資判断を信頼して、私の推奨企業をファンドに組入れてくれることがとてもうれしいですね。

仕事をする上で大切なことは、いろんなことに興味を持ち、自分の頭で物事を考えることです。物事をいろんな角度からじっくり分析して、この先起こるであろう変化を察知・予測し、その恩恵を享受できそうな企業群を誰よりも早く見つけ出すこと。そのためにはいろんなことに興味を持ち、あらゆる方面にアンテナを張り巡らすことが重要です。アナリストの仕事は経済や金融のことを知っているだけでは務まりません。現在世の中でおきている様々なトレンドを知ることが重要です。いろんな物事に興味を持ち、世の中全てのことを知ってやろうという気持ちがあれば、みなさんの知識の幅が広がるでしょう。

 

アドバイスをお願いします。

 

「やりたいことが見つからない」という人がたくさんいます。しかし、興味のある分野は誰でもいくつかあると思います。やりたいことが見つからないと躊躇するのではなく、まずはその興味のあることに手を出してみれば良いと思います。やりたいことはその時々で変わるもの。私の場合も、学生時代や10年間の社会人生活において、やりたいことや関心事はその時々で異なっています。とりあえずやってみて、「これは違うな」と思えば、その時々で軌道修正をしていけばいいだけのことです。頭だけで考えず、とりあえず行動してみる。試行錯誤を恐れず、なんでもトライしてみることが大切だと思います。

仕事に関しても同じことが言えると思います。その時々でやりたいことや大事にすることは変化していきます。学生時代にはバリバリと働いて仕事人間を目指そうと思っていても、結婚して、子どもができれば子育てに時間を使いたいと思うようになります。人生設計の中でどのように仕事を位置づけるかで働き方も変わってくると思うので、その時々に柔軟に考えることが大事だと思いますね。