開学からこれまで

2000年に開学した、日本で初めての本格的な国際大学である立命館アジア太平洋大学(APU)。大分県別府市に位置し、学校法人立命館、大分県および別府市の協力のもと開学しました。APUには世界82ヵ国・地域から約2,600名の国際学生が集まり、教員も約半数が外国籍。授業はもちろん、キャンパスライフを通じて、世界の言語や文化を体験できます。APUでは「英語」と「日本語」の2言語を中心にした多言語・多文化教育を展開しています。

(数値は2007年12月現在のものです)

多くの国際学生が学ぶ「マルチカルチュラル・コミュニティ」

APUの基本理念は「自由・平和・ヒューマニズム」「国際相互理解」「アジア太平洋の未来創造」。「世界各国・地域から未来を担う若者が集い、ともに 学び、生活し、相互の文化や習慣を理解し合い、人類共通の目標を目指す知的創造の場」として開学したAPUの学生数は大学・大学院あわせておよそ5,600名。そのうち、約2,600名が国際学生です。韓国やベトナムといったアジアはもちろん、中東、アメリカ大陸、アフリカ、そしてパプアニューギニアなどの環太平洋帯の国まで、現在はなんと全82の国と地域から学生が来ています。

 
 

APUにはどんな学部があるの?

アジア太平洋学部、アジア太平洋マネジメント学部の2つの学部があります。両学部では講義を通じて、アジア太平洋地域を意識した教学内容のもと、日本語基準で入学した学生に対しては英語を習得することが求められます。また、アジア太平洋地域の言語(中国語、韓国語、マレー・インドネシア語、スペイン語、タイ語、ベトナム語)を任意で習得することもできます。2006 年度にはインスティテュートとして両学部にまたがる学際的なコースとして、クロスオーバー・アドヴァンスト・プログラム(CAP)[→リンク]が設置されました。

国内外問わず春季と秋季の年2回、学生を受け入れている点も立命館大学のシステムと異なるところ。秋に入学式と卒業式があることも、珍しいですね。また、立命館大学との間で、相互に半年または1年の交換留学プログラムがあります。

APUには、英語か日本語のどちらかができれば入学でき、国際学生の70%が英語基準で入学しているそうです。英語で入れば第1外国語が日本語に、日本語で入ればその逆となるそうです。APUでは、開学時に第2外国語として中国や韓国などのアジア太平洋言語を学び始める動機付けのために、各言語の文化的背景を紹介するイベントとして「言語ウィーク」をスタートしましたが、今やアジア太平洋言語に限らず、各国の出身者や興味を持つ学生が、それぞれの国の文化を紹介する「マルチカルチュラル・ウィーク」として発展しています。

マルチカルチュラル・ウィーク

私たちがAPUを訪れた12月の第2週目はマルチカルチュラル・ウィークのジャパニーズ・ウィークが開催されていました。

この週は「和」をコンセプトに、学生主催で様々な日本文化を国際学生に紹介するためのイベントや展示会が行われました。

期間中の4日間は、それぞれ春夏秋冬にテーマが設定され、12月3日(月)はお花見体験、4日(火)は流しそうめんなど、各日その四季に沿った装飾やイベントを展開。最終日となる7日(金)にはミレニアムホールでグランドパフォーマンスが行われ、APUの日本文化に関連するサークル9団体が、晴れやかな舞台を繰り広げました。

 
 

取材班が訪れた6日(木)のテーマは「秋」。カフェテリア入口に設置された「みかんを置いたこたつ」に、多くの学生たちは驚いた様子!特に国際学生はこたつに興味津々の様子でした。また、芸術の秋、食欲の秋ということで、この日はスチューデントユニオン2階の和室で茶道部によるお茶会の席が設けられたほか、カフェテリアでは別府市民の協力のもと餅つき大会が行われました。はじめは遠くから眺めていた国際学生たちも、杵と臼を使った迫力ある餅つきが始まると興味をひかれたようで、体験希望者の列に加わっていました。

「JAPANESE WEEK 2007」期間中は、1階のパシフィックカフェで常設展として「和」をテーマにした写真展が開催されたほか、カフェテリアでも参加型の書道展が開かれるなど、日本人学生、国際学生を問わず日本文化を満喫できる1週間となりました。

 
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