私は現在、金融物流部門の金融事業本部に所属し、M&A推進サポートチームという全社横断プロジェクトチームで働いています。住友商事には8つの事業部門があり、大変広い分野においてビジネスを展開しており、昔はトレードが主体でしたが、近年ではM&A等の投資ビジネスを加速しています。私のチームは、M&A等において、投資先企業のバリュエーションや買収交渉など様々な面でのアドバイザーとして仕事をしています。
会社を買収するときには、実際の現場に行き直接交渉すること等も数多くあります。この業務では、交渉相手が会社の経営者であることが多く、若い頃から「経営者の視点で物事を考えることができる」という点が特に刺激的ですし、勉強にもなります。他社の方と交渉するときには厳しい交渉になることもありますが、良い緊張感を持ちながらも交渉を成功させることは、やり甲斐とともに楽しさも感じています。
みなさんは一般的にM&Aと聞くと、華やかなイメージを思い浮かべるかもしれませんね。実際の作業は細かい数字や山のような書類の確認がベースとなっているんです。何においても、細かいことの積み重ねが大切だと実感していますし、当然、多忙なときもあります。しかし、細かいものの積み上げからビジネスの中身をひも解き、その情報を実際の交渉の現場で活かし、目的を達成したときの達成感は非常に大きいです。この一連の行為は、クラブ活動でひたすら基礎練習をして、試合で勝つという行為に似ている部分があり、いわば「趣味や部活の楽しさ」に似た部分があると思っています。
また、入社6年目、28歳のときにニューヨークの財務部門で1年半勤務するチャンスをもらいました。普段から海外企業と仕事をすることはありましたが、海外勤務をしたということが後々の自信になっただけでなく、文化に違いがあっても、行き着くところは「人対人」の関わりなので、とことん話し合えば何とかなるということを再確認できたことは大きな収穫でした。M&Aに必要なスキルは交渉術、財務、会計、労務、法律の知識、など多岐に渡ります。自分の知識・経験だけでできることには限界があるので、自分自身を高めるのは当然のことながら周りにいる人達の経験や知識を最大限に活用して仕事をするように心がけています。また、相手が持っている知識・経験を学ぶことで、+αのアイディアを生み出すこともできると考えています。「経済・経営は生き物」と仕事を通じ実感しており、今の業務で様々なケースを扱いながら経験を積み、状況に応じ柔軟且つ斬新な提案をしていきたいですね。まずはこのM&Aの世界で自分の実力を発揮していきたいです。 |