大学へ入学する前は、将来の進路として、カウンセラーを志望していました。悩んでいる人に対して、「言葉」を仕事道具として、相手の気持ちを良い方向へ変えていく。そのようなことができるようになりたい、という気持ちがありました。また、人と話をして、相手が元気になってくれるとうれしかったので、高校生の時は、「心理分野」に関心を持っていました。しかし、次第にカウンセラーという仕事の「心でふれあう」部分は、「福祉分野」にも共通するのではないかと思うようになりました。そのため、産業社会学部では、社会福祉士の資格の取得を目指して、福祉を学びました。その後、進学した応用人間科学研究科では、臨床心理学を専門にし、「人」との接し方を学びました。相手を思いやり、相手の気持ちに寄り添うことの大切さを学んでいるうちに、次第に「現場で、より直接、助けを必要としている方々と関われるような仕事に就きたい」と考えるようになりました。そして、仕事として選んだのが社会福祉職でした。カウンセラーという立場より、より身近で、長期的な関わりができるのではないかと考えたからです。
現在、勤務している大阪府立砂川厚生福祉センターでは、入所している様々な年齢層の利用者に対して、自立に向けた生活支援を行っています。内容は、日中の作業や外出の支援、食事や入浴の支援など生活全般のサポートを行っており、さらに週に1度程度は当直業務もあります。大変なことは多いですが、楽しく仕事ができています。
また、利用者へのサポートで心がけていることは、常に利用者の視点に立つということです。どのようなサポートが良いのか判断に迷うときもありますが、そのときは「利用者の視点に立ち、何が自立に結びつくか」という原点に立ち返ることにしています。支援がすぐに実を結ばないときもありますが、そのような時は中長期的な視野に立って支援を進めていくようにしています。やりがいを感じるときは、活動を通じて、利用者とともに笑いあえたときです。また、支援を行ったことで、以前できなかったことができるようになったときも嬉しさがこみあげてきますね。現場では、利用者に勇気づけられること、気づかされることが多々あり、支援について学ぶことが多くあります。そのような意味でも日々発見があって、やりがいのある仕事だと思います。 |