「Rs be ambitious!」
堀野英昭さん(2003年産業社会学部 卒業、2005年 応用人間科学研究科修了)大阪府立砂川厚生福祉センター 更生第四課(わかば寮)技師
自分らしさを大切に -自分の気持ちを確かめながら行動すること-
立命館大学を卒業し、さまざまなフィールドで活躍するOB・OGが
在学生の皆さんに熱いメッセージを送る「Rs be ambitious!」
今回登場していただくのは大阪府立砂川厚生福祉センターで
知的障がいのある方々を支援する福祉専門職員として活躍する堀野英昭さん。
堀野さんは産業社会学部産業社会学科発達福祉コースを卒業後、
応用人間科学研究科で臨床心理学を専門に研究をされてきました。
そんな堀野さんに、学生時代のボランティア活動を通して学ばれたことや、現在の仕事のやりがいなどを伺いました。 
(2008年10月10日掲載)
 

大学生活において、私が最も関わった活動といえば、東山区障害児者デイ銭湯事業を運営するボランティアグループ「湯・友・YOU」です。きっかけは、大学1回生のとき、所属していたピアノ研究会の先輩から、「ボランティアに参加してみないか」と誘いを受けたことです。当時は、福祉を学ぶ上で、障がいのある方と実際に関わることのできる活動をしたいと思っていましたので、すぐに参加することを決めました。そこでは、利用者の方々と関わるだけではなく、その方々の保護者の思いを聞くこともできて、障がいのある方々のおかれている状況を知ることもできました。
現在の勤務先に決まったときは、学生時代に得た自分の経験を生かすことができると思い、本当にうれしかったです。 
そして、社会人になった今も、この活動を続けています。ボランティア活動を通して、学生から年配の方まで幅広い年齢層の方々との大切なつながりができました。
学生時代は、ボランティアや研究以外にも、サークル活動やアルバイトもしていました。そのような活動を通じて、友人ができ、彼らは今でも気軽に頼れる心強い存在です。学生時代はよく学び、よく遊んで、学生生活を精一杯満喫したという感じです。 

 

 

 

大学へ入学する前は、将来の進路として、カウンセラーを志望していました。悩んでいる人に対して、「言葉」を仕事道具として、相手の気持ちを良い方向へ変えていく。そのようなことができるようになりたい、という気持ちがありました。また、人と話をして、相手が元気になってくれるとうれしかったので、高校生の時は、「心理分野」に関心を持っていました。しかし、次第にカウンセラーという仕事の「心でふれあう」部分は、「福祉分野」にも共通するのではないかと思うようになりました。そのため、産業社会学部では、社会福祉士の資格の取得を目指して、福祉を学びました。その後、進学した応用人間科学研究科では、臨床心理学を専門にし、「人」との接し方を学びました。相手を思いやり、相手の気持ちに寄り添うことの大切さを学んでいるうちに、次第に「現場で、より直接、助けを必要としている方々と関われるような仕事に就きたい」と考えるようになりました。そして、仕事として選んだのが社会福祉職でした。カウンセラーという立場より、より身近で、長期的な関わりができるのではないかと考えたからです。 

 

現在、勤務している大阪府立砂川厚生福祉センターでは、入所している様々な年齢層の利用者に対して、自立に向けた生活支援を行っています。内容は、日中の作業や外出の支援、食事や入浴の支援など生活全般のサポートを行っており、さらに週に1度程度は当直業務もあります。大変なことは多いですが、楽しく仕事ができています。

 

また、利用者へのサポートで心がけていることは、常に利用者の視点に立つということです。どのようなサポートが良いのか判断に迷うときもありますが、そのときは「利用者の視点に立ち、何が自立に結びつくか」という原点に立ち返ることにしています。支援がすぐに実を結ばないときもありますが、そのような時は中長期的な視野に立って支援を進めていくようにしています。やりがいを感じるときは、活動を通じて、利用者とともに笑いあえたときです。また、支援を行ったことで、以前できなかったことができるようになったときも嬉しさがこみあげてきますね。現場では、利用者に勇気づけられること、気づかされることが多々あり、支援について学ぶことが多くあります。そのような意味でも日々発見があって、やりがいのある仕事だと思います。

 
 

在学生のみなさんが、将来どのような職業に就いたとしても、「人」と接する機会があるかと思います。その意味においては、趣味や特技なども含めた人間性を豊かにすることは大切ではないでしょうか。例えば、私は中学・高校時代にはサッカーや陸上をやり、大学時代には、ピアノ研究会に所属していました。これらの経験は、利用者の方といっしょに運動したり、クリスマス会でピアノの伴奏をしたりと、様々な場面で役に立ちました。このように、自分の行ってきた趣味や特技が活かせることがあります。人間性を豊かにするためにも、学生時代に様々なことにチャレンジしてほしいです。私自身、多くのことにチャレンジしたことで、いろいろなことを知り、結果として学んだことを活かすことができています。また、一生付き合える仲間との出会いがありました。私がボランティア活動で成長に結びつく出会いがあったように、学生のみなさんにも成長に結びつく出会いをしてほしいと思います。 

 

みなさんが学んでいる立命館大学には、学生をサポートする制度がたくさんあります。私自身もこの仕事に就く前に、キャリアオフィスへ行き、エントリーシートの書き方や、面接のアドバイスをしていただきました。また、エクステンションセンターも活用させていただき、公務員の勉強を行いました。私のように福祉に関心がある学生の方は、学内のボランティアセンターはもちろんですが、足を運んで、学外のボランティア機関も活用してみてもよいと思います。これから、将来を考えていく上で大切にしてほしいことは、「自分の気持ちを確かめながら行動する」ということです。私がボランティア活動を通して、福祉の道を選ぶに至ったように、行動を起こしていく中で、自分のやりたいことは何か、その分野に向いているかどうか、自分の気持ちを確かめながら行動することを大切にしてください。 

[学生広報スタッフ取材後記]
今回の取材で次の3つのことがいかにその後の人生に影響を与えるかについて考えさせられました。1つ目は、行動範囲を限定しないこと。2つ目は、様々な分野に自分からボールを投げてみること。最後の3つ目は、先輩などの「他者からのボール」を受け止めることです。
これからはいままで見落としていたようなボールも1つひとつ丁寧に拾い、確実に自分のものにしていきたいと思います。 
 
取材・文/皆木孝夫(政策科学部4回生)
立命館大学校友会とは?_ 立命館大学校友会は、立命館大学とその前身校の卒業生約28万人で構成され、卒業生各人の活躍と母校の発展を目的として、多様な事業を展開している団体。社会に出てからも、世代を超えてサポートし合う校友ネットワークは立命館の魅力の一つです。
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