理工学部
安藤妙子 准教授
おすすめの1冊

『そばかすの少年』

ジーン・ポーター

(光文社)

 

この本に出会ったのは私が小学生の時。主人公は右手のない孤児院育ちの少年で、彼は、「リンバロストの森」で森の番人として働くことになり、様々な経験をし、困難に立ち向かい成長していく物語です。私は幼心にも主人公の勤勉さ、真面目でひたむきな姿勢に心を動かされたのを今でも覚えています。真面目に物事に取り組むと、少しずつではありますが、道は開かれていくことを一人の少年に教えてもらいました。
また、もう1つこの本で着眼したいところ、それは「自然描写の美しさ」だと思います。たとえ読者の知らない木々、植物の名前が出てきたとしても、なんとなくその場の風景をイメージすることができる、綺麗で豊かな描写が書かれています。

また私は普段、電車やバスに乗っている時間などを活用して本を読むようにしています。長い空き時間があまりないのもありますが、逆に短時間のほうが集中して読めますね。
学生の間に、分野は広く浅くでもいいので100冊単位でいろいろな本を読んだほうがいいですね。私自身も、今はもっと学生時代に本を読んでおいてもよかったのではと思っています。

専門分野に偏らず、色々な本を読む。最近は導入本も多く出ているので本を読みやすい環境にもあると思います。また、理系の教員として、文系の学生のみなさんにも理系の本をぜひ読んで頂いて、様々な考えがあることを知ってもらえればと思いますね。

安藤妙子先生のその他のおすすめ本として「理系白書(単行本)」出版社:講談社

取材・文/犬塚直希(経済学部3回生)