輝いています、ときの人 #106 森 勇輝さん(理工学部2回生)、山本有香さん(理工学部2回生)ライフサイエンス研究会
私たちの身近に存在する科学の世界。 子供たちに、科学の楽しさを伝えたい!
科学の楽しさを子供たちに伝えるため、地域密着型の科学実験教室を開いているライフサイエンス研究会。
その活動は好評を得ており実験依頼が絶えないという。
今回は、会長の森勇輝さん(理工学部2回生)と副会長の山本有香さん(理工学部2回生)に、
ライフサイエンス研究会としての取り組みや実験を通して子供達と交流する喜びについてお話を伺った。
(2008年6月9日掲載)
Q

ライフサイエンス研究会とはどのような取り組みを行っている団体なのですか?また、お二人がライフサイエンス研究会に入ったきっかけを教えてください。

ライフサイエンス研究会は、地域の子供に対して科学実験教室を行っている学術公認団体です。小学校や児童館、地域のお祭りなどのイベント開催時や福祉施設などからの依頼を受け、身近な物を使ってできる様々な実験をしています。このような形での実験教室を始めたのが約3年前からで、今までおよそ35~40回ほど開催しています。嬉しいことに年々実験教室の数が増えています。実験の素材やテーマは本やテレビから着想を得て、子供達に参加してもらいながら、わかりやすく伝わるよう、自分達でアレンジして実験を行っています。

 

僕がライフサイエンス研究会に入ったのは、科学も子供も両方が好きで、自分にピッタリだと思ったからです。子供たちが実験に参加し、楽しそうに参加してくれている姿を見ると、自分もすごく嬉しくなります。

山本

私も「子供が好き」というのがこの研究会に入ったきっかけです。私達だけではなく、ライフサイエンス研究会のメンバー全員、子供が大好きなんです。最近の子供達はどうしても科学に対して難しいイメージを持っているようなので、科学実験教室を通して、そういった壁を少しでも消すことができればうれしいですね。現在、ライフサイエンス研究会では、約30種類の実験をすることができます。たとえば、汚れた硬貨を身近な調味料を使って綺麗にする還元の方法や、ライフサイエンスオリジナルのピンホールカメラ作り、そしてとても良く飛ぶ紙飛行機作りなどがあります。個人的には最近テレビなどでもやっている片栗粉ダイラタンシー(片栗粉を用いた水の水面に人が立っていられるというもの)の実験がお気に入りですね。

 
Q

お二人が科学実験教室で子供と接する時に、気をつけていることはありますか?また、苦労したこと、嬉しかったことなど聞かせてください。

山本

子供たちと接するときに一番気をつけている事は、話し方です。普段、自分たちが話しているスピードより、ゆっくり話さないと伝わりづらいんです。また、子供たちが注目してくれるような喋り方も常に意識しています。あとは、参加者全員に気を配ることですね。やんちゃな子、静かな子、実験に飽きてしまう子など、色々なタイプの子供がいますが、積極的にこちらから話しかけて、実験に興味を持ち続けてもらうようにしています。実験の中には静電気を使ってシャボン玉を操ることができる面白いものもあります。授業の最後には、参加者全員で体験でき、インパクトのある感電実験を行なう事が多いですね。

 

以前、実験教室に参加してくれた子供が「絶対忘れない!また会いにくるよ」と言ってくれたときは本当に感動しました。子供たちから「また実験がやりたい」「理科が好きになった」という言葉が聞けると私達も本当に幸せです。

 

 

科学実験教室の様子

 

実験教室をしていて苦労するのは、実験が失敗してしまった時ですね。急遽、失敗した実験の代用実験を考える措置をとらないといけないので、とても大変です。毎回教室が終わった後は、反省会を兼ねてメンバーで話し合いをし、次に活かせるようにしています。特に福祉施設へ訪問するときは、実験道具の液体などを誤って飲みこんだりしないように注意を払っています。参加してくださる方に安全に実験を楽しんでもらう事が一番大切だと思います。苦労することもありますが、子供達との交流は本当に楽しく、子供達が面白そうに参加してくれている姿を見ると苦労も吹っ飛びますね。一度、実験教室をした学校から再度依頼があることも多く、その時は極力実験内容が重ならないように気をつけています。子どもたちには実験教室を機に、今後はもっともっと科学を身近にとらえて欲しいと思います。

 
Q

最後に、ライフサイエンス研究会の今後の目標とお二人の目標を聞かせてください。

今後のライフサイエンス研究会の目標は、実験の数をもっと増やす事です。子供に喜んでもらえるようなインパクトのあるものを開発したいと思っています。現在は科学実験教室を滋賀で行うことが多いのですが、京都や大阪などの遠方にもどんどん足を運びたいと思っています。僕個人としては、科学に対する知識をもっと増やしていきたいですね。また、ライフサイエンス研究会の会長としてもメンバーをしっかりまとめていきたいと思います。

山本

私自身、ライフサイエンス研究会に入って、言葉では言い表せないくらい多くの事を学ぶことができました。子供と接する難しさや子供の純粋さを知り、人としてすごく成長できたと思います。現在、構想中の実験では具体的な案はまだ出ていませんが、見た人をアッと驚かすような実験をしたいですね。これからも子供を惹きつけることのできる実験教室が行えるように、頑張りたいと思います。

Link ライフサイエンス研究会ホームページ
取材・文/山本志歩(経済学部2回生)
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