輝いています、ときの人 #108 鎰谷綾子(産業社会学部2回生)重量挙部 全日本学生選抜選手権大会 優勝
練習から「本番さながら」の真剣勝負!自信を身につけ掴んだ、念願の全国優勝
4月19日(土)、20日(日)に埼玉県で開催された第5回全日本学生選抜選手権大会において、
重量挙部所属の鎰谷綾子さん(産業社会学部2回生)が、女子53キロ級で優勝を果たした。
規定の重量を挙げることができる選手にのみ出場資格が与えられるという、
ハイレベルなこの大会で優勝した鎰谷さん。
そんな偉業を成し遂げた鎰谷さんに今回の試合の状況や今後の目標などを伺った。
(2008年6月26日掲載)
Q

今回鎰谷さんが出場された「全日本学生選抜選手権大会」とはどのような試合だったのでしょうか?また、試合当日はどのような熱戦が繰り広げられたのかお聞かせください。

鎰谷

まず、重量挙げには「スナッチ」という一気に頭上までバーベルを挙げる種目と、「クリーン&ジャーク」という一度肩の位置まででバーベルを持ち上げてから頭上までバーベルを挙げる種目があり、勝敗は両種目の重量のトータルで争います。この大会は今回が5回目という比較的新しい大会なのですが、出場するためには階級別に定められている基準の重量をクリアしなければなりません。私の階級ではトータル149キロという比較的厳しい基準の重量でした。今回、同じ階級で基準の重量をクリアできた選手は3人だったのですが、そのうち1人の選手が試合までに減量できなかったため、当日は中井美保さん(関西大学1回生)との一騎打ちになりました。

 

試合開始前には、お互いが1回目に挙げる重量を公開しあうのですが、公開された中井さんの重量は自分が予想していたよりも重く、一瞬「負け」が頭をよぎりました。しかし、自分自身もこの試合に向けての調整練習で、とても調子が良かったため、自信を持って試合に挑みました。他の試合の結果などから、相手が挙げることのできる重量の限界を把握していたことも余裕を持って試合を進められた理由だと思います。まず始めに「スナッチ」で中井さんよりも3キロ重い重量を挙げることができたので、落ち着いて次の「クリーン&ジャーク」に挑め、その結果自己ベストに近い記録を挙げ、優勝することができました。この優勝は私にとって、初の全国大会での優勝だったので、「嬉しい」の一言でした。クラブの仲間も喜んでくれましたし、重量挙げを始めるきっかけとなった高校の顧問の先生も電話での報告で喜んで下さいました。

 

 

 

 
Q

今回の優勝が全国初優勝だったのですね。今回の試合で優勝するための戦略などはありましたか?また日々の練習ではどのような事を行っているのか教えてください。

鎰谷

昨シーズンは両種目ともに好調だったのですが、今シーズンはスナッチが不調でクリーン&ジャークの調子が良いと自分の強みや弱点を把握していたので、勝負はいかにスナッチで重い重量を挙げられるかにかかっていると意識していました。また、試合の際にはできるだけ相手を意識するのではなく、自分自身との戦いだと思うようにしました。

 

特にこれと言って戦略は立てていませんでしたが、強いて言うなら試合直前に公開する際、スナッチの1回目に挙げる重量を2キロ程軽めに公開し、相手を油断させるようにしたことがあげられます。

また、日々の練習から常に試合を意識するようにしていますね。練習場で同じ重さを挙げるにしても、試合中のシチュエーションを頭の中で想像しつつ、緊張感を持って挙げることで、試合の緊張感やプレッシャーの中で実力を発揮できるような精神力を鍛えているつもりです。今後はさらにメンタル面を鍛えることと、フォームを安定させることが課題だと思っています。

 
 
 
Q

練習のときから意識を高くし、試合さながらの練習しておられるんですね。そんな鎰谷さんの今後の目標を教えてください。

鎰谷

今後の目標としては、4回生までに全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会(インカレ)で優勝したいです。また、自分自身の記録を伸ばすことは団体戦の際に、チームへも貢献できるので、団体戦も頑張りたいですね。今まで以上に練習を積み重ねることで実力をつけ、それを自信に変えて精神的にも、より鍛えていきたいです。

 

また、学生としてはやはり重量挙げと学業をしっかり両立させたいです。教職課程をとっているので、今後は教員免許の取得も目指しています。将来は母校で、重量挙げの指導者になれればと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取材・文/秋田成美(産業社会学部2回生)
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