輝いています、ときの人 #115 U19男子ラクロス日本代表  粟田優作さん(産業社会学部2回生)
周りの支えを力に変え、掴んだU19日本代表の座
2008年5月、19歳以下のワールドカップ(U19)男子ラクロス日本代表に、
ラクロス部所属の粟田優作さん(産業社会学部2回生)が選ばれた。
その後、7月に行われたU19世界選手権大会ではレギュラーとして試合に出場し、
関西からは4人しかいない代表選手の1人として奮闘した。
そんな粟田さんに、代表選手に選ばれるまでの経緯や苦労、世界選手権大会での試合の様子などを伺った。
(2008年10月3日掲載)
Q

今回、粟田さんは初めて日本代表に選ばれたとのことですが、U19日本代表に選ばれるまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか?

粟田

高校まで、ラグビーなどをやっていましたが、大学に入り何か新しいことをやりたいと考えていました。そんなときに、友達からラクロス部への入部を誘われ、ラクロスを始めました。ラクロスは1チーム10人で、クロスと呼ばれる先端に網の付いたスティックを用い、ボールを奪い合い、相手ゴールに入れることで得点を競うスポーツ。ポジションは、アタック(AT)、ディフェンス(DF)、ミッドフィールダー(MF)という3つがあります。ラクロスは大学に入学してから始める人も多くいるスポーツなので、他の人より多く練習することが上達の秘訣と考え、クラブの練習以外にも、近くの公園で壁打ちの練習をしたり、近所に住む先輩とパスキャッチの練習をしていましたね。大学や家でも時間があればクロスを握ってイメージトレーニングをしていました。

 

ラクロスに夢中になっていた2007年の秋に新人戦があり、そこでのプレーを評価され、その年の10月に関西ユースのメンバーに選出され、その後関西ユースの中からU19日本代表候補選手に選ばれました。代表候補選手に選ばれたときは、驚きとともに、日の丸を背負うので軽い気持ちではプレーできないと思いました。

 

しかし、ちょうど代表候補選手に選ばれた頃に、クラブの練習中にじん帯を切る大ケガをしてしまったんです。大事な時期にケガをしてしまったことでかなり落ち込み、日本代表チームの練習への参加も迷いましたが、家族やクラブの仲間の支えもあり練習に参加することにしました。ケガが治るまでは、足を使わない練習をしたり、常にヘッドコーチのそばでメモを取ったりしていましたね。3月下旬に完治するまでの間の、その前向きな姿勢が認められ、代表候補に残っておくことができたんです。また、クラブでのポジションはMFなのですが、代表候補にはATとして選ばれたので、最初は慣れないポジションに戸惑い、コーチからも「ATの中では補欠的な感じだ」と言われていましたが、それではいけないと思い、自分から練習後にコーチにアドバイスを求めに行き、ATをやっているクラブの先輩にもアドバイスをもらうようにしました。そのような努力が実り、最終的には代表選手に残れただけでなく、スタメンに入ることができました。

 

 

 

 
Q

日本代表選手になるまでに多くの苦労を乗り越えてこられたのですね。では、初めて日の丸を背負ってプレーした世界選手権大会はどのようなものでしたか?

粟田

今回参加した世界選手権大会は、7月3日~7月12日までカナダのバンクーバーで行われました。日の丸を背負ってプレーする初めての試合なので、普段とは比べものにならない責任感を感じましたね。その分、試合に勝ったときの喜びも大きいですし、多くの人に応援してもらえるので、いい意味でプレッシャーになっていたと思います。大会では、まず上位・下位リーグの各6ヵ国がそれぞれのリーグの中で総当たり戦を行いました。日本は上位リーグに入っていましたが、世界の強豪国を前に苦戦していました。特に、最も強いとされるアメリカとの試合では、選手たち全員に自信がなかったのか、ひどい試合結果となってしまいました。試合後、選手たちでミーティングを開き「1点取られても2点取り返す」という意識を持つよう、新たに気持ちを入れ直しました。そのおかげもあり、次のオーストラリア戦では、勝利こそできなかったものの、最後まであきらめずにプレーし、アメリカ戦とは全く違うイメージを相手チームに与えることができたと思います。世界選手権という国際舞台を経験した事で、技術面だけでなく精神面でも大きく成長ができたと思います。

 
 
Q

最後に、今後の目標などを教えてください。

粟田

個人的には、U22日本代表選手に選ばれることが目標です。2014年には、全日本代表チームも結成されるので、全日本代表入りも目指したいですね。大学のクラブでは「関西制覇」をスローガンに日々練習をしています。今回、日本代表チームの中でプレーしてみて、なぜ良いプレー、悪いプレーになるのか一つ一つ考えることが大事だと気づきました。このことをこれからクラブの練習の中でも実践していきたいですね。また、ラクロスは関東の方が盛んで日本代表の中でも関東から選出された仲間に多くの刺激を受けました。今回、U19男子日本代表チーム23名中、関西からは4名しか選出されていなかったので、日本代表で学んだことを後輩に伝えていき、もっと関西から多くの選手が選ばれるようにしていけたらと考えています。そして、ここまで支えてくれた家族や多くの仲間たちへの感謝を忘れず、これからもラクロスを続けていきたいと思います。 

   
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