輝いています、ときの人 #116 学生ボランティアサークル「Bridge(ブリッジ)」代表  堀 祐士さん(経済学部3回生)
地域住民と学生の架け橋に
BKC学生の多くが生活や通学の拠点として利用している街、南草津。
自分たちが暮らす南草津に恩返しがしたいという思いから、駅周辺でのごみ拾いや
地域住民・警察官と協力しての防犯パトロールなど、安全・安心なまちづくりを目指している
学生ボランティアサークルがあります。その名は「Bridge(ブリッジ)」。
日頃の熱心な活動が評価され、先日、10月4日(土)には、滋賀県内で犯罪をなくす為に
活動へ取り組んでいる市民や団体が表彰される「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり大賞を受賞しました。
今回は「Bridge(ブリッジ)」代表の堀 祐士さん(経済学部3回生)に
日頃の活動の取り組みや活動を通して学んだ事、これからの抱負について、お話を伺いました。
(2008年10月10日掲載)
Q

まず、ブリッジ設立のきっかけと活動内容について教えてください。

私たちサークルの名前である「Bridge(ブリッジ)」は、初代代表の「地域住民と学生の架け橋になる役割を担っていきたい」という思いから命名されました。この言葉には、大学に通う上で、お世話になっている南草津の地域の方々との交流を大切にしていきたいという思いが込められているんです。この団体は2005年1月に設立され、学友会の登録団体として承認されたのは2008年7月と最近なんですよ。現在は1回生から大学院生まであわせて28名がサークルで活動しています。

 

私たちの活動は大まかに3つに分けられます。まず1つ目は毎月第1土曜日に行っている防犯パトロールです。玉川学区の青少年育成区民会議の皆さんと一緒に、夜20時から21時半位まで1時間半程度、南草津駅周辺や娯楽施設、住宅地をパトロールしています。特に南草津ではゲームセンターなどの娯楽施設が多いこともあり、夜遅く中高生に遭遇することもあります。その時は、こちらから積極的に声をかけ、早く家に帰るよう説得しています。2つ目は、毎週土曜日の朝に実施しているゴミ拾いです。メンバーで話し合いの下、何班かに分かれて、週ごとに範囲を変え、かがやき通り沿いや駅周辺などゴミの多い場所を中心に行っています。ゴミ拾いをしながら、挨拶運動も同時に行い、すれ違う地域住民の方々とすすんで挨拶を交わすようにしています。

 

この2つの活動は設立当初からやっていますが、今年度から新たに実施したのが自転車の盗難防止運動です。BKC内の2箇所の駐輪場(校門、East wing横)は、残念なことに盗難犯罪件数が非常に多いため、私たちは1週間に3回ほど見回りや鍵の抜き忘れをチェックしています。また、きれいに整っている駐輪場であれば「盗難も減るのではないか」という思いからメンバーで協力し、整列作業も行っています。この考えはゴミ拾いにも同じで、南草津の街をきれいにしていくことが、犯罪を減らし安全な街づくりにつながると考えています。

 

 

 

 
Q

ブリッジでは様々な活動をされているんですね。この活動を通じて堀さん自身何か変化はありましたか?また、活動をする上での苦労ややりがいを教えてください。

私自身、ブリッジの存在を知ったのは、エクステンションセンターの公務員講座のパンフレットに入っていたビラを見たのがきっかけなんです。今まで特にボランティアをしたこともありませんでしたが、大学に入って南草津に下宿し生活する中で、ただ利用するだけでなく、感謝の思いをもって街をきれいにし、地域の方々に恩返しをしたいと思ったんです。私自身、特別社交的な性格というわけではありませんが、先ほど挙げた活動の他にも、メンバーで地域のお祭りなどのイベントにすすんで参加しています。地域住民の皆さんと深く関わっていくことで、人に積極的に接しようという気持ちが以前より強くなりました。

 

活動の上で特に大変なのは、暑い時期のゴミ拾いとゴミの処理です。真夏の炎天下の作業なので熱中症にも注意するなど体調管理も重要だと実感しています。またゴミの量が多いときには何袋にもなり、駅前の焼却施設にまで運ぶのに苦労します。しかし、最近ゴミの量がだんだんと減ってきているように感じます。自分たちの活動の成果が目に見えて表れていると思うととても励みになりますね。ただ、タバコの吸殻の多さや、自転車の車輪といった粗大ゴミが依然として目立つので、今後対策を講じていく必要を感じます。また、ゴミ拾いをしながら住民の方々と挨拶を交わし触れ合っていく中で、ブリッジのことが南草津で知られるようになり、地域の方から「ご苦労様」という一言をかけてもらえるととても嬉しいですね。その甲斐あって、今年になってメンバーも倍近くに増え、活動の幅が広がり、やりがいも増えました。何事も継続してやっていくことの大切さを実感しています。

 
Q

今後、堀さんはブリッジをどう発展させていきたいと考えていますか? 抱負を聞かせてください。

去年サークル内で南草津周辺地域の犯罪状況を調べ、危険なところを示した「地域安全マップ」を作成したのですが、このようなマップを作った団体は全国でもなかなかないと警察の方からお言葉をいただきました。この防犯マップは2008年度のBKC新入生全員にも配布され、両面カラーで危険な場所が分かりやすいことから、小学校や市役所に貼りたいというお話も伺っています。地域住民からの反響もとても大きいですね。私自身代表の任期はあと半年なのですが、これからは小学校低学年の子どもたちの下校の見回り活動なども新たに検討していきたいと思っています。地域住民の方と直接関わる良い機会でもありますし、低学年の子どもたちには「お兄さん、お姉さん」として触れ合ってもらえる時間になればと思いますね。また月1回の防犯パトロールもこれから月2~3回に増やしたいと思っています。

 

先日、私たちブリッジの活動が認められ「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり大賞を受賞できた事は、とても嬉しくサークルを続けていく上での励みになります。今後も自分たちの活動を通じて地域の人との『Bridge=架け橋』になり、さらには犯罪も減らしていけるよう貢献していきたいです。

 

私にとってブリッジは先代から受け継いできた非常に大切な団体なので、これからも地域に感謝の念をもち、街をきれいにしていきながら、「Bridge」を南草津市から滋賀県全体を引っ張っていくような行動力のある日本一のボランティア団体にしたいという思いがあります。また、ここで出会った仲間は、同じ目標をもつかけがえのない貴重な存在です。この「Bridge」は学年を問わず皆仲のよい団体ですが、今は低回生のメンバーが少ない状況なので、新たに仲間が増えれば嬉しいですね。BKC・衣笠キャンパス、どちらの学生でも応募は大歓迎です。大学の域にとどまらず、地域の方と触れ合うことは自分磨きにもなりますし、将来に活かしていけることだと思います。いろんな方と接する機会の大切さをみなさんにも知ってほしいと思います。

Link Bridge作成「地域安全MAP」 (PDF→表)  (PDF→裏)
Link 「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり大賞を受賞(→ PICK UP)
取材・文/長谷友香(経営学部2回生)
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