輝いています、ときの人 #118 「UK-Japan 2008」公認イベント英日合作映像プロジェクト代表  友近結理奈さん(経営学部3回生)
国境を越えた映像プロジェクトで学ぶ「コミュニケーション」の大切さ
日英修好通商条約調印 150周年を記念して、英国の文化を様々な視点から日本で紹介する
「UK-Japan 2008」が2008年1月から12月にかけて開催されている。
英国大使館主催のイベントであり、日英間のコラボレーションの活性化と発展を目指す。
このイベントに立命館大学の学生が中心となって進める英日合作映像プロジェクトが認定された。
学生のエントリーは珍しいという。
代表の友近結理奈さん(経営学部3回生)に、プロジェクトの内容や学んだことを伺った。
(2008年10月24日掲載)
Q

まず、UK-Japan 2008がどのような催しか教えていただけますか? また、友近さんがどのような経緯でこのプロジェクトにかかわり始めたのか教えてください。

友近

2008年は日英修好通商条約調印 150周年の年にあたります。この年を記念して開催されるUK-Japan 2008は英国大使館が主催しており、創造性あふれる英国を紹介し、さらには日英間のコラボレーションの活性化と発展を目指すという催しです。今回、そのUK-Japan 2008公認イベントとして、英日合作映像プロジェクトが認定されました。私がこのプロジェクトにかかわったきっかけは、経営学部の演習科目「プロジェクト研究」です。この授業には、以前から興味を持っていた総合メディアプロデュース会社(Cross Culture Holdings Ltd.:イギリス/ロンドン)のインターンシップが組み込まれていたので、受講しました。

 

この授業は、学生が主体的にプロジェクトを企画・立案・実行することを目的にしています。まず、「私達がこの授業で何を企画したいのか?」というところから話し合いました。ゼロからのスタートです。テレビ番組作成や料理研究家のプロデュースなど、様々な企画案が出ていました。その後、長い試行錯誤の末、私達のやりたいことにマッチしたのが、英日合作映像プロジェクトで映像を制作して、それをたくさんの人に発信するということでした。といっても、私達は経営学部の学生。もちろん、映像を撮影する能力はありません。しかし、経営学部で培ったマネジメント能力やプロデュース能力をプロジェクトで発揮できるのではないかと考え、プロジェクトの趣旨に共感し、映像制作に協力してくれる大学生を募りました。プロジェクトを進めていくうちに、だんだんと自分達で作り上げていくことのおもしろさにのめりこんでいきました。

 

 

 

Q

この英日合作映像プロジェクトでは具体的にどのようなことをしておられるのですか? 詳しく教えてください。

友近

私達がプロデューサーとなりロンドンカレッジ・オブコミュニケーションと京都造形芸術大学の学生と映像「2 way love」を制作しています。今回制作している映像のタイトルである「2 way love」は、1 way love(片想い)の造語で、「想いを伝えることの難しさ」を表現しています。「コミュニケーションの大切さを伝えたい」という思いから始まり、他大学の学生と何度も論議を重ねた結果、このタイトルが決まりました。実際の撮影はイギリスと日本で行なっていて、異文化のカップルや同国籍の男女、親と子など、様々な立場のコミュニケーションを表すドキュメンタリー映像を撮影しています。今年の夏休みの期間を利用して、日本人学生が2名現地へ行き、実際にイギリスの学生と交流を図ったりもしていました。この作品を機に、それぞれの人がコミュニケーションや愛のあり方を見つめなおし、自分自身の「Answer」を見つけてもらえたらうれしいですね。

 

実はこの企画自体の構想には1年の歳月がかかりました。実際プロジェクトが軌道に乗ったのは2008年の6月からなんです。私の最初の仕事は、プロジェクトの規約作りでした。ただ方法を知らなかったので、人に聞いたり、本で調べたりと大変苦労しましたね。それでも、この事をきっかけにできないこともやればできると実感できました。スポンサー探しもゼロからのスタートでした。全国の様々な企業を訪問し、持参した資料でプレゼンさせていただきながら協賛をお願いしました。最初に協賛していただくことになったのは、グレイトブリテン・ササカワ財団です。今年の2月にCulture Holdings Ltd.のインターンシップに参加しロンドンにいたので、財団にお伺いして英語でプレゼンしました。初めてのプレゼンが英語だったのでとても緊張しました。

 

他大学の学生とは、メールやセカンドライフというネット上の仮想空間を利用して英語と日本語で「WEB会議」を行い、コミュニケーションを図って、映像制作を進めました。これらも簡単には上手くいかず、特にイギリスの学生とのコミュニケーションでは考え方や文化の違い、また時差も考慮しながら話しを進めましたが、微妙な表情やお互いの伝えたいことがなかなか伝わらず、もどかしさがありましたね。相手の伝えたいことなどをアバターの表情や動きから理解するしかないので「物事を察する力」はかなりアップしたと思います。これらの様々な活動を通して、何もないところから私達の手で新たなものを作り出すおもしろさ、多くの人との出会いの中で想いを伝えることの大切さ、何事にも恐れずに挑戦していく精神などたくさんのものを得ました。

Q

最後に、今後の予定や展望について教えてください。

友近

近い予定としては11月8日(土)に開催される学園祭でイベント UK with JP ~2 way love 完成披露特別上映会~ を開催する予定です。また上映会の後は、映画祭への出品やインターネット配信します。10月下旬にはロンドンで撮影された映像が日本に届き、日本の映像とドッキングする予定で、忙しい時期がこれからも続きますが、メンバーで一丸となり頑張って、より良いものにしたいです。そして、携わっていただいた企業の方々にも協賛してよかったと思ってもらえるような結果を残したいですね。

 

私はこのプロジェクトを通じて多くの大切なことを学びました。その中でも特に、企業訪問でなかなか協賛企業が見つからない苦労から得た「自分の弱みを知り相手の立場に立って物事を考えること」そして、イギリスの学生とのコミュニケーションの難しさで知った「想いを伝える大切さ」「無から有を作る面白さ」この3つは私にとってかけがえのないものになりました。様々な活動を通じ、私自身、多くの人に出会えた事にとても感謝しています。将来はこの活動を生かして、イベントなどを通して何か人に伝える仕事をしてみたいですね。

 

学園祭の日に行うイベントでは、上映会の他に日本とイギリスの学生のディスカッション、そして豪華なゲストもいらっしゃいます。とても楽しいものになると思うので、ぜひみなさん足を運んで下さい!!

UK with JP ~2 way love完成披露特別上映会~
日時:2008年11月8日(土) 12:00~13:30
場所:立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)  セントラルアーク1F
概要:上映会、英日の学生によるディスカッション、ゲストパフォーマンス
Link 日英合作映像プロジェクトホームページ
Link UK-JAPAN2008ホームページ
取材・文/木幡達也(経済学部2回生)
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