私達がプロデューサーとなりロンドンカレッジ・オブコミュニケーションと京都造形芸術大学の学生と映像「2 way love」を制作しています。今回制作している映像のタイトルである「2 way love」は、1 way love(片想い)の造語で、「想いを伝えることの難しさ」を表現しています。「コミュニケーションの大切さを伝えたい」という思いから始まり、他大学の学生と何度も論議を重ねた結果、このタイトルが決まりました。実際の撮影はイギリスと日本で行なっていて、異文化のカップルや同国籍の男女、親と子など、様々な立場のコミュニケーションを表すドキュメンタリー映像を撮影しています。今年の夏休みの期間を利用して、日本人学生が2名現地へ行き、実際にイギリスの学生と交流を図ったりもしていました。この作品を機に、それぞれの人がコミュニケーションや愛のあり方を見つめなおし、自分自身の「Answer」を見つけてもらえたらうれしいですね。
実はこの企画自体の構想には1年の歳月がかかりました。実際プロジェクトが軌道に乗ったのは2008年の6月からなんです。私の最初の仕事は、プロジェクトの規約作りでした。ただ方法を知らなかったので、人に聞いたり、本で調べたりと大変苦労しましたね。それでも、この事をきっかけにできないこともやればできると実感できました。スポンサー探しもゼロからのスタートでした。全国の様々な企業を訪問し、持参した資料でプレゼンさせていただきながら協賛をお願いしました。最初に協賛していただくことになったのは、グレイトブリテン・ササカワ財団です。今年の2月にCulture Holdings Ltd.のインターンシップに参加しロンドンにいたので、財団にお伺いして英語でプレゼンしました。初めてのプレゼンが英語だったのでとても緊張しました。
他大学の学生とは、メールやセカンドライフというネット上の仮想空間を利用して英語と日本語で「WEB会議」を行い、コミュニケーションを図って、映像制作を進めました。これらも簡単には上手くいかず、特にイギリスの学生とのコミュニケーションでは考え方や文化の違い、また時差も考慮しながら話しを進めましたが、微妙な表情やお互いの伝えたいことがなかなか伝わらず、もどかしさがありましたね。相手の伝えたいことなどをアバターの表情や動きから理解するしかないので「物事を察する力」はかなりアップしたと思います。これらの様々な活動を通して、何もないところから私達の手で新たなものを作り出すおもしろさ、多くの人との出会いの中で想いを伝えることの大切さ、何事にも恐れずに挑戦していく精神などたくさんのものを得ました。 |