輝いています、ときの人 #119 全日本大学対抗選手権自転車競技大会 男子スプリント競技 優勝 自転車競技部 石口慶多さん(政策科学部2回生)
我人生、自転車に在り!念願の全国初制覇!
8月28日(木)~31日(日)に長野県で開催された第64回全日本大学対抗選手権自転車競技大会(インカレ)の
男子スプリント競技において、石口慶多さん(政策科学部2回生)が強豪勢を破り見事初優勝した。
本学のインカレ優勝は1952年以来で、じつに56年ぶりの快挙である。
予選では10位のタイムであったが、準々決勝、準決勝、決勝と
予選タイムを上回る相手を抑え、優勝した石口さんに当日の試合展開、勝因、今後の目標などをうかがった。
(2008年10月31日掲載)
 
Q

インカレ優勝おめでとうございます。石口さんが優勝された全日本大学対抗選手権自転車競技大会とはどのような大会なのですか? また、試合当日はどのような熱戦が繰り広げられたのでしょうか?

石口

今回の試合は、まず予選で200mのタイムトライアルをし、ベスト16を決定しました。このタイムトライアルの結果をもとに、1位と16位、2位と15位といったトーナメント方式で対戦。試合会場によって距離は様々ですが、今回のかりがね自転車競技場の場合は1周333mで、2周を走り勝敗を決めました。

 

予選のタイムトライアルでは10 位だったのですが、この結果を見てもあまり焦りは無かったですね。確かに、4 位以内で予選を通過できればと思っていたので、少し残念ではありましたが、元々、予選のタイムは良くないことが多いんです。また、今回のインカレは私の目標でもあり、昨年のインカレチャンピオンである土屋壮登選手(順天堂大学3回生)が欠場されていたこともあって、自分にも優勝するチャンスが十分あると感じたこともプラスに働いたのだと思います。その後、準々決勝、準決勝と自分の予選タイムを上回る選手をおさえて、インカレでは初めての決勝に駒を進めることができました。

 

 

 

 
Q

改めて決勝戦を振り返ってみて、試合展開や当日のコンディションなどはいかがでしたか?

石口

優勝をかけて戦う試合は久々だったのですが、決勝が近づくにつれてモチベーションや集中力を上げることができたので、調子は良かったと思います。決勝の対戦相手は工藤薫選手(早稲田大学4回生)。3本勝負の2本先取で争う決勝で、相手に1本目をとられ、後がなくなってしまいました。2本目までの休憩時間にイメージトレーニングをしたとき、自分が負けてしまう試合展開しか頭に浮かんでこなかったんです。これでは駄目だと思いながらもイメージの中の自分は工藤選手に負けている・・・。そこで考えたことが、「負けるなら全力を出し切って、派手に負けてやろう」ということでした。そう思ってからは、何かが吹っ切れた気がしました。その結果、2本目を取ることができたんです。そして3本目のゴールラインをくぐった瞬間「やっと勝てた」という安堵感とともに、自然と涙が流れていましたね。その後はチームの先輩や、父親と泣きながら抱き合って喜びました。

 

今回の優勝は、中学・高校と全国大会での優勝を逃してきた自分にとって、初の全国制覇です。一度は頂点に立ちたいという気持ちの大きさが、この優勝を引き寄せてくれたのだと思います。「大学で、優勝できたらプロになる」と決めていた自分にとって、この優勝は大きい1勝でした。

 
Q

最後に石口さんの今後の目標を教えてください。

石口

まずは、11月2日(日)に東京の立川競輪場で開催される日韓対抗学生自転車競技大会でインカレチャンピオンとして恥ずかしくない試合をしたいと思っています。この試合は、日韓両国の大学生、高校生から男子8名、女子2名、計10名ずつ選出され、競い合います。韓国の選手は有力な選手ばかりですが、この試合では勝利にこだわって頑張りたいと思います。

 

そして、最大の目標はインカレ2連覇、3連覇です。今回は、自分の目標でもある土屋選手が欠場していたので、来年はライバルとして戦い、勝利したいです。チームとしては、総合順位ベスト8入りが目標です。自転車競技部は先輩・後輩の垣根を越えて、本当に仲の良いチームなので、メンバーで一丸となり、良い成績を残したいと思っています。

 

小学生の時に自転車競技のワールドカップのテレビ中継で外国人選手の走りを見て、自転車でこんなにも早く走れるのか、という驚きと感動を感じ、興味を持って始めたのが自転車競技です。今では私にとって自転車競技は、「自分の生きている意味・目的」のような存在になっています。これからも、プロを目指して走り続けたいと思います。

 

 

 

Link 自転車競技部ホームページ
取材・文/村嶋志穂(政策科学部2回生)
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