輝いています、ときの人 #122 アジアジュニア陸上競技選手権、日本学生対抗選手権優勝 女子陸上部 沼田未知さん(理工学部1回生)
「ゴールする瞬間がすごく幸せ」 練習で得た自信を胸に走り続け、アジア王者に
アジアジュニア陸上競技選手権、日本学生対抗選手権の2大会での優勝を成し遂げた、
女子陸上部、沼田未知さん(理工学部1回生)。
沼田さんは中学から陸上をはじめ、その後、輝かしい実績を残し続けている。
今回は、そんな沼田さんに、優勝を果たした2つの大会の様子や、優勝までの道のりなどを伺った。
(2008年11月21日掲載)
Q

アジアジュニア陸上競技選手権、日本学生対抗選手権の2大会での優勝、おめでとうございます!それぞれの大会では、どのような走りをされたのですか?

沼田

ありがとうございます。まず、アジアジュニア陸上選手権とはインドネシアで行われ、16歳から19歳までのアジア各国の代表が集まる大会です。国内の大会の成績をふまえた結果、私が3000メートルの日本代表に選ばれ、出場することができました。試合は各国から1名ずつ選ばれた7人の勝負で、決勝の1本のみで成績が決まるというものでした。初めての海外試合ということもあり、試合が始まる前は他の選手が全員速そうに見えてとても緊張しました。しかし、コーチの励ましや、日々の練習で得た自信のおかげで、走り始めると緊張もほぐれ、いつも通り走ることができました。湿度が高く、暑いので、あまりいいタイムは出せませんでしたが、優勝できてとてもうれしかったです。

 

日本学生対抗選手権は、各種目の標準タイムを切った人と各地域で上位の人が出場できる大会で、国立競技場にて行われました。この大会では10000メートルに出場し、30人ほどで、400メートルトラック25周を走る決勝を行いました。決勝では、レースを引っ張ってくれる人がいたので、前半はその人について行きました。ラスト2000メートルの地点で、前の人が疲れてきているのが分かったので、一度前に出ました。再び抜かされたのですが、最後にもう一度抜き返し、優勝することができました。試合前に、コーチから「1回生なんだから、自分らしく思い切って走れ」とアドバイスをもらっていたので、気負わずに走ることができたのだと思います。この試合でもあまり良いタイムは出せませんでしたが、優勝できたことはとても嬉しいです。

 

 

 

Q

沼田さんがこのような実績を残すまでに、どのような苦労がありましたか?陸上を始めたきっかけや、練習について教えてください。

沼田

私が本格的に陸上を始めたのは中学2年生の時です。小学生の時に入っていた陸上クラブで高跳びなどを経験し、陸上の楽しさを知ったのですが、私の入学した中学には陸上部がありませんでした。中学1年生の時はバスケ部に入部していましたが、やっぱり陸上をやりたいと思い、2年生からは自分ひとりで陸上を始めました。土日は隣の学校の陸上部と一緒に練習をさせてもらい、平日は一人練習しましたね。

 

高校は立命館宇治高校に入学しました。中学時代にお世話になった監督が、立命館宇治高校の監督に紹介をしてくださったんです。高校の練習が辛くて、陸上が嫌になった時期もありましたし、高校3年の冬には、足を故障してしまったこともあります。その時は、走りたくても走られない状況がすごくもどかしかったのを覚えています。けれど、どんなに辛くても、良いタイムが出たり、試合で勝つことができると「陸上って楽しい!」と感じられるのが不思議ですね。大学では、60分程の時間走や距離走、ジョグとダッシュを繰り返すインターバルといった練習を毎日繰り返しています。大学の陸上部は速い選手ばかりなので、そのメンバーの中に自分もいられるということがすごく嬉しいです。そういった意味で、仲間からの刺激も多いですね。練習は大変ですが、その練習を乗り越えたという自信が、試合に活かされているのだと思います。

 
Q

最後に、沼田さんの今後の目標を聞かせてください。また、学生の皆さんにメッセージをお願いします。

沼田

大学4年間は本気で走り続けたいと思っています。個人的に、駅伝を走るのがすごく好きなので、駅伝のメンバーに選んでもらえるようにしっかりと練習したいですね。また、卒業後にもしっかりと走ることができるのであれば、実業団にも入りたいと思います。私は特別、走るスピードが速いわけではないのですが、今こうして走れているのは、周りにいる方々のおかげなんです。そのお返しが「走ること」でできるように、これからも頑張りたいと思っています。

 

みなさんは「陸上=辛い競技」と思われていると思いますが、実際に陸上の練習や試合はとても厳しいものです。しかし、ゴールした瞬間は、そんな辛さを一瞬で吹き飛ばしてしまう程のうれしさが込み上げてくるんですよ。この達成感はすごく気持ちが良いものです。それに、走っているときに聞こえる声援がすごく力になります。試合中どんなに疲れていても、名前や学校名を呼ばれるとハッとして気持ちが引き締まるんです。みなさんも試合を見る機会があれば、ぜひ応援よろしくお願いします。

 
取材・文/山本志歩(経済学部2回生)
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