輝いています、ときの人 #126 てるてるいのち講義ツアー実行委員会 企画責任者 下岡真奈さん(政策科学部3回生)写真右、会計責任者 古北理沙さん(文学部2回生)写真左
自分の意思を自分の言葉で“伝える”ことの大切さ -インターンと講義ツアーで見つけたもの-
衣笠キャンパス、BKCの学園祭で行われたアーティスト「湘南乃風」の若旦那さんによる講義企画「オレと語らねぇか?」。
これは、てるてるいのち実行委員会によって、企画・運営されたものである。
この「てるてるいのち」とは、湘南乃風の若旦那さんが立ち上げた
“一人でも多くの命に陽を照らすこと"を願う仲間の集合のこと。
彼は、難病であるムコ多糖症の子供たちのVTRを見て、自分にも何か出来ないかと、この会を発足した。
今回のときの人では、てるてるいのち実行委員会として「オレと語らねぇか?」の開催に尽力した
下岡真奈さん(政策科学部3回生)と古北理沙さん(文学部2回生)に、
この企画に関わったきっかけやどのような経験をされたのかについて伺った。
(2008年12月19日掲載)
Q

両キャンパスでの学園祭企画、お疲れ様でした。最初になぜお二人が、てるてるいのち実行委員会に関わることになったのか、その経緯をお聞かせください。

下岡

3回生ということもあり、就職活動が間近に迫ってくる中で、社会をきちんと見てみたいと思っていました。そんな時、大学コンソーシアム京都で受講していた「クリエイティブの可能性」でインターンシップの募集があったんです。以前から音楽が好きで、自分自身もバンド活動を行っているので、音楽制作の裏側を見たいという思いで、音楽業界へのインターンシップを志望しました。インターンシップ先が決定し、その内容が株式会社マスタービューで湘南乃風の若旦那さんの「てるてるいのち」の活動をサポートしていくことと伝えられた時は、驚きました。しかし、てるてるいのちでの彼の活動を以前から知っており、とても感銘を受けていたので、驚きよりも自分も関われるという喜びのほうが大きかったです。

古北

私は、1回生の時からインターンシップに参加したいと漠然と考えていました。それは、低回生の時から社会の現状を見ながら、将来の自分について考えてみたかったからです。中学生から吹奏楽を始め、音楽が大好きだったこともあり、下岡さんと同じように音楽業界でのインターンシップを志望しました。このインターンシップが決まった後は、若旦那さん、そしてムコ多糖症について調べることから始めました。2週間のインターンシップでは、若旦那さんの講義ツアー展開についての打ち合わせや話し合いを重ねました。日時や移動経路を調べることはもちろん、受け入れ先の大学とのやり取りも経験させていただきました。

 

 

 

Q

インターンシップがこの企画に関わるきっかけだったんですね。お二人はこのインターンシップを通じて、どのような成長をされましたか?

下岡

2週間のインターンシップで、自分の意思を自分の言葉で伝えている若旦那さんの姿勢を見て、自分を表現することの大切さを学びました。また、音楽を制作する現場を見させて頂き、1つのメッセージや気持ちを伝えるとき、その裏側にはたくさんの人のパワーがあることを知りました。そして、様々なアーティストの方と関わる中で、自然体がベストな状態であるためには、日頃から想像もつかないような努力が必要で、この業界で生き残るには本気で自分と向き合い、自分に負けないことが求められることを感じました。

古北

私はこのインターンシップを通じて、多くの出会いを経験しました。そして、人とコミュニケーションをとることの大切さを知りました。また、音楽の素晴らしさを再確認するとともに、言葉の力を知りました。そして、この2週間で受け取った若旦那さんのメッセージを立命館大学の学生にも伝えたいと思い、今年の学園祭で若旦那さんに講義をしていただくことをお願いしました。企画書提出の締め切り間近での提案だったので、準備がとても大変でした。BKC、衣笠の両キャンパスでの企画実施と、大きな会場を借りられることが決まった時、嬉しさとともに、不安も感じました。その後は看板制作や情報宣伝、広告制作など、多くの有志スタッフに支えてもらいながら、当日に向けて準備を進めました。

Q

両キャンパスで、学生に向けてどのようなメッセージを伝えられたのですか? また、講演の際に工夫されたことなども教えてください。

下岡

11月9日は、BKCでの講義でした。他大学で行われた若旦那さんの講義を見ていたので、どのような形になるのか、ある程度想像は出来ていました。しかし、自分の大学でどのような反応をしてもらえるのかが不安でした。収容人数900名のプリズムホールでの開催でしたが、学園祭の盛り上がり時間と重なっていたこともあり、多くの集客を得ることが出来ました。しかし学園祭の雰囲気の中で、難病の子どもたちを取り上げる私たちの企画をなかなか受け入れてもらえず、途中退室も目立ちました。また、若者に大人気の湘南乃風のメンバーが来校しているということもあり、若旦那さんを見ることが目当てだった学生も多かったんです。他大学の講義の雰囲気とは違い、講義の空気作りがうまく出来なかったところが大きな反省点でした。しかし、そのような中でも観客の学生たちの反応を見て、若旦那さんのメッセージが伝わったと感じることもできました。

古北

BKCの講演から1週間後の衣笠の学園祭でも講義を実施しました。前回のBKCでの反省点を生かし、スタッフ全員で若旦那さんに気持良く講義をしてもらえるような雰囲気づくりを徹底しました。学園祭開始と同時に講義が始まったこともあり、BKCのような混乱もなかったように思います。2時間の長時間の講義でありながらも、若旦那さんと学生との距離もとても近く、彼の発信する一つひとつのメッセージを集中して聴くことが出来る雰囲気がありました。若旦那さんは講義内で私たちに「自分の心に出来た芽を枯れないように丁寧に育てる」ということを、人生の先輩としてゆっくり話して下さいました。就職活動や今後の生き方で悩んでいる人、さまざまな人にとってとても貴重な時間になったと思います。

Q

この講義ツアーからお二人自身もさまざまことを学ばれたんですね。2週間のインターンシップや、てるてるいのち実行委員会での経験をこれからどのように生かしていきたいと考えていますか?

下岡

私は若旦那さんとの出会いを通じ、“伝える"ということが私にとっての大切なキーワードであると感じました。今後は自分を表現する為に、なりたい自分、自分の芯をしっかり持っていきたいです。

古北

私もこの数カ月の活動を通じ、自分の意見を人に伝えることの大切さを感じました。自己表現が下手な私にとって、これは今後の課題であります。また、今回の活動を通じ、一歩を踏み出すことの大切さを知りました。挑戦することで自分の視野が広がり、自分が大きく成長したと共に、自分の課題が見えてきました。これからも、様々なことに挑戦し続けたいと思います。

 
Link てるてるいのちホームページ
取材・文/安藤賀菜子(文学部2回生)
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