今回発見した遺跡は松尾山にある平安時代の山林寺院と思われる遺跡の一部です。2008年10月より松尾山の古墳群の調査を続けていましたが、不自然な平たん地を見つけたため、気になって歩いていました。この場所から瓦や土器が発見されました。山林寺院に詳しい専門家の方に見ていただいたところ、山林寺院の可能性があることがわかりました。このことは今まで平安京の北側と東側だけにあるとされていた山林寺院が、平安京の西側にもあったことが推測できます。見つけた瓦の中には文字が書いているものがあり、顧問の高先生を介して、瓦を研究している方に調べてもらったところ、平安京の内裏で使われていた瓦と同范であることが判明しました。内裏で使われていた瓦と同じものが見つかったことは、その両者の関係性を考える上で重要な資料となりそうです。
遺跡地図に載っていない遺跡だとわかったとき、すごいものを発見したと思いました。その時は驚いたと同時に、感激して鳥肌がたちました。日頃の調査は新発見のために行っているわけではないのですが、今回の発見から、改めて地道にこつこつ努力することの大切さを実感しました。 |