輝いています、ときの人 #154 日米学生会議に出席 笹岡祐衣(ささおか・ゆい)さん(国際関係学部2回生)
きっかけは小さな一歩。日米学生会議に参加して変わったこと
今年8月、日米学生会議(Japan-America Student Conference-JASC)に出席した笹岡祐衣さん。
日米の学生と約1ヶ月にわたって共同生活を送りながら、本会議に向けてメンバーと議論を繰り返したという
笹岡祐衣さんに、今回の経験で得たものについてお話を伺った。
(2009年11月27日掲載)
Q

日米学生会議について教えて下さい。また、参加しようと思ったきっかけは何だったのですか?

笹岡

日米学生会議は、毎年夏に応募者の中から選考された日米各36名の学生が1ヶ月間に渡って共同生活を送り、その中でフィールドワークを行ったり、分科会、フォーラムへの参加などを行います。開催地は毎年、日米交互で行われていますが、今年は日本で開催され、東京、函館、長野、京都を回りました。

 

参加が決まってから、準備期間の4ヶ月の間に自分のテーマを選択するのですが、私は「開発と途上国の自立的発展」をテーマに選択し、このテーマに関連のある講演会に参加し、自分の考えだけでなく、色んな人の意見も聞き、参考にしながら、より深い内容にしていきました。本会議では、このレポートを持ちよって議論を行います。

 

私が学んでいる国際関係学部には、モチベーションの高い学生が多く、周りの友人も目標を持って、それに向かっているという感じで、それを日頃から感じていました。ですが、私は自分に自信がなく、「何か打ち込めるものに出会いたい」と思いながらも、なにも出来ずにいました。そんな時、受講していた「オナーズプログラム」で、過去に日米学生会議に参加したことがある先輩から会議の事を聞きました。これが参加のきっかけです。この時「参加してみよう」と思い、エントリーをしました。書類選考と面接のあと参加が決まったのですが、これはこれまでの自分を振り返るいい機会にもなりました。

 

 

 

Q

実際に日米学生会議に参加して、苦労したことなどはありますか?

笹岡

やはり、言葉で苦労しましたね。期間中の使用言語は英語が基本で、会議の発表なども全て英語で行います。参加が決まってから私なりに勉強はしていたのですが、実際は自分が伝えたい事を伝えようとするのも大変でしたし、分科会は専門用語も多く、理解するのに時間がかかりました。始めは会話にもついていけず、消極的になっていたのですが、しばらくすると他のメンバーから「あなたはどう思うの? あなたの意見が聞きたい」と言われました。このままではいけないと思った私は、分からない時ははっきりと「分からない」、また聞き取れない時も「ゆっくり話して下さい」と伝えるようにしました。これがきっかけになり、相手も私のことを気遣ってくれるようになりましたし、私も「メンバーの一員として認めてもらえている」ということが嬉しく、それからは積極的に自分の意見を言えるようになりました。

Q

やはり、言葉が違うというのは大変ですね。約1ヶ月に渡る共同生活ということですが、日米の学生で文化の違いなどを感じたことはありましたか?

笹岡

「文化の違い」というのは、それほど感じませんでした。ただ、アメリカの学生はとにかく意見を求めてきます。黙っていると、レスポンスを求められることが多いです。あと、思った事を口に出す学生が多かったですね。自分の意見を相手にストレートに伝えるだけでなく、リーダーシップを取って、他人の意見を引き出してくれる学生も多かったです。あとは、やはり日本に興味を持っている学生が多かったですね。日本の古典を学んでいる学生もいましたし、とにかくみんな色んなものに興味を持っていました。

Q

笹岡さんが日米学生会議を通して得たものはなんでしょうか?

笹岡

とにかく自分の意見を求められるので、いつも「自分の意見を持つ」という事を心がけるようになりました。また、主体性をもって行動するようにもなりました。これは大事な事で、「出来る、出来ない」ではなく、「やるかやらないか」だと思うようになりました。参加するまでは自分に自信がなく、焦りはあるものの、何をしたらいいのか分からないという感じでしたが、これは、やろうとしていなかっただけだったんだと思います。とにかく色んな事に興味を持って、「やると決めたら徹底的にやる」と思えるようになりました。
今回の経験を通して自分にも自信が持てるようになりましたし、これからは主体性を持って、いろんな事にチャレンジしていきたいです。

取材・文/山西悠祐(産業社会学部4回生)
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